経済小説イチケンブログ

経済小説案内人が切り開く経済小説の世界

2025-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『かもめ幼稚園』 - うんざり、嫌々、辞職願望 - 幼稚園教諭の日常

「お仕事いろいろ」というテーマで紹介される作品の第五弾は、黒野伸一『かもめ幼稚園』(MF文庫、2008年)。今年、短大を卒業し、かもめ幼稚園の先生(教諭)になったばかりの「わたし」(ちかこ)。特別の思い入れやモチベーションがあったわけでもありま…

『スポーツドクター』 - アスリートの悩み・葛藤に寄り添うお仕事

「お仕事いろいろ」というテーマで紹介される作品の第四弾は、松樹剛史『スポーツドクター』(集英社文庫、2005年)。「スポーツが人間にもたらす財産は、元気・感動・仲間・成長だ。これにより人は自分らしく生きることができる。これがスポーツの功だ!」…

『海に降る』 - 潜水調査船パイロットが見る深海のリアル

「お仕事いろいろ」というテーマで紹介される作品の第三弾は、朱野帰子『海に降る』(幻冬舎文庫、2015年)。有人潜水調査船「しんかい6500」のパイロットをめざす訓練生・天谷深雪の夢と挫折が描写。生き物がたくさんいるのは、広い海のたった5%。残りの95…

『鋳物屋なんでもつくります』 - 「湯の色」にほれ込んだ女性鋳物師の奮闘

「お仕事いろいろ」というテーマで紹介される作品の第二弾は、上野歩『鋳物屋なんでもつくれます』(小学館文庫、2020年)。祖父の勇三が起こした「清澄鋳造」で働く清澄流花の奮闘ぶりが描かれています。「金属を溶解して型に流し込み、製品をつくるのが鋳…