作品紹介-3年目
「市役所職員を扱った作品」の第二弾は、荻原浩『メリーゴーランド』(新潮文庫、2006年)です。前例がないことには臆病な公務員の世界。変えることに恐怖心さえ抱いている人も例外ではありません。まさに「ぬるま湯」の世界です。本書は、そこから抜け出し…
市役所で働いている人というと、多くの人にとっては、「おとなしい」「新しいことを好まない」「型にはまっている」といったイメージが浮かび上がるのではないでしょうか? 確かに、前例主義、予算主義が徹底している職場なので、事案に臨機応変に対応する余…
「マネーロンダリングを扱った作品」の第三弾は、笹本稜平『突破口 組織犯罪対策部マネロン室』(幻冬舎文庫、2015年)。マネロンという犯罪行為を取り締まる側から描いた作品です。マネロンという経済行為を扱った経済小説であるとともに、警察の捜査活動を…
「マネーロンダリングを扱った作品」の第二弾は、志摩峻『マネーロンダリング・ビジネス』(ダイヤモンド社、2009年)。東京の大手損害保険会社と、テキサス州にある米国法人の子会社、バミューダなどのタックス・ヘイブンを舞台に、壮大なスケールでマネロ…
働いて稼いだおカネ。その一部は、生活に必要なモノやサービスの購入や税金の支払いなどに充てられます。金融機関に預けられたり、株式などに投資されたりすることもありえます。ごく普通に生活する人にとっては、通常のおカネの流れとは、そういうものだと…
「自動車の歴史を扱った作品」の第三弾は、城山三郎『勇者は語らず』(新潮文庫、1987年)。自動車産業を戦後日本経済の「勇者」に見立て、その急速な発展ぶりが描写されています。特に、自動車を組み立てる親会社の成長が部品を供給する下請け会社の「犠牲…
「戦後自動車史を扱った作品」の第二弾は、梶山季之『黒の試走車』(角川文庫、1973年)産業スパイの暗躍を真っ正面から描いた作品です。販売合戦で勝利を収めるには、時代の流れを的確に読むことがなによりも重要な要素です。ただ、勝敗を決する条件は決し…
いま、ガソリンから電気・燃料電池などへのパラダイムシフトが進行しているクルマの世界。近未来には、自動運転で走行する電気自動車がごく普通の風景の一部になっていることでしょう。過去をさかのぼれば、ガソリン自動車から次世代自動車への転換は、21世…
「企業の合併・買収を扱った作品」の第四弾は、江上剛『不当買収』(講談社、2006年)です。かつて、日本企業の多くは、安定株主という名の株式持ち合い制度により、他の企業による買収から身を守られていました。敵対的買収が一般化しなかった理由はそこに…
「企業の合併・買収を扱った作品」の第三弾は、牛島信『買収者 アクワイアラー』(幻冬舎、2000年)。別の財界人の妻でありながらも、長きにわたって恋焦がれていた女性を奪うため、その男の会社を乗っ取ろうとする実業家の話。著者の牛島信は、ビジネス・ロ…
「企業の合併・買収を扱った作品」の第二弾は、木俣貴光『企業買収 海外事業拡大を目指した会社の660日』(中央経済社、2012年)。大手食品会社による中堅企業買収プロジェクトの始まりからクロージングまでの全プロセスが厳密に再現されています。コンサル…
企業は、規模の拡大、新規分野への参入、グローバルな展開、後継者不在への対応など、さまざまな理由で他の企業の合併・買収(M&A)を行います。2019年、日本企業が関わった企業の合併・買収の件数は前年比6.2%増の4088件。過去最多になっています。企業買…
「アパレルを扱った作品」の第二弾は、幸田真音『ランウェイ』(集英社、2011年)。最初はショップの店員。次はイタリアの有名ファッション・ブランドの女性バイヤー。最後は、ニューヨークで「MIDI」(フランス語で昼の意味)というファッション・ブランド…
「食べること」と「住むこと」とともに、人間の最も基礎的な経済活動に「着ること」があります。「着ること」、つまり衣服の製造および流通に関わる活動は、アパレルと呼ばれています。その業界で働く人は、きわめて多様です。衣服の企画に携わるファッショ…