経済小説イチケンブログ

経済小説案内人が切り開く経済小説の世界

2025-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『研修医純情物語』 - 大学病院における「ハチャメチャな医療現場」

人を悩ませる大きな要因のひとつに、傷病があります。人の生死を左右するケースもまれではありません。したがって、その予防や診療を担う医師の世界は、ある意味ドラマティックな要素には事欠かない領域と言っても過言ではありません。医療・医師を扱った多…

『ひまわり公民館よろず相談所』 - カウンセリングのノウハウも詰め込まれています

「カウンセリング」を扱った作品の第二弾は、柊サナカ『ひまわり公民館よろず相談所』(角川文庫、2023年)です。なにかに困ったとき、頼りになる専門家のアドバイスやサポート。「住民いきがい特区」というコンセプトのもと、流山市向日葵町には、どこにで…

『臨床真理』 - 臨床心理士としてあるべきひとつの仕事の形なのか? 

悩んだり、困ったり、不安になったりしたとき、自分の考えだけで乗り越えようとしても、うまくいかないことが多いものです。堂々巡りに陥ってしまうからです。そんなとき、頼りになるのは、だれかのアドバイス・サポートにほかなりません。それにより、自分…

『ビッビ・ビ・バップ』 - 亡くなっても、電脳空間で半永久的に生きていける! 

「AI」を扱った作品の第五弾は、奥泉光『ビッビ・ビ・バップ』(角川文庫、2019年)です。舞台は、人間とアンドロイドとの境界線がはっきりしないほど、AIが進歩している21世紀末。ジャズピアニストの木藤桐34歳(通称フォギー)は、家や公共空間の音響をデ…

『虹を待つ彼女』 - 亡くなった人を人工知能で蘇らせる! 

「AI」を扱った作品の第四弾は、逸木裕『虹を待つ彼女』(角川文庫、2019年)です。人工知能の研究者である工藤賢(35歳)が主任設計士として働いているモンスターブレイン。人工知能と会話する人気のアプリ「フリクト」の開発・運営を行っています。同社で…