経済小説イチケンブログ

経済小説案内人が切り開く経済小説の世界

2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『天職にします!』 - 転職する人に寄り添う仕事を天職に 

4月と言えば、多くの新入生や新社会人が慣れない環境下で第一歩を踏み出すシーズン。初めての学校や職場に大きな戸惑いや不安も感じることでしょう。しかし、新しい出会いや期待に胸を膨らませる人も多いのではないでしょうか。今回は、新たな職場で働き始め…

『カフェ、はじめます』 - 素人の40代女性がなぜ? 

「カフェを扱った作品」の第二弾は、岸本葉子『カフェ、はじめます』(中央公論新社、2015年)。吉祥寺に住む40代の独身女性・和久井いさみが、「かわいい古民家」に一目ぼれ。「家を壊されたくない」という思いから、その家を借り受け「おむすびカフェ」を…

『戦略は『一杯のコーヒー』から学べ!』 - 一杯のコーヒーから見える世界

ほぼ毎日、朝食の際に飲む、ちょっと濃い目の緑茶。お気に入りの湯のみに入った一杯目の狭山茶。「おいしい」という味わいとともに、私の一日が始まります。また、一日に一回、楽しませてもらっているのが一杯のカプチーノ。こちらの方は、なんらかの作業が…

『リーダーになりたければ海に行け』 - 「居酒屋の大将」でもある「伝説のリーダー」

「チームリーダーを扱った作品」の第二弾は、中鉢慎『リーダーになりたければ海に行け』(つり人社、2014年)。幼稚園時代からおよそ「長」と付く役柄とは無縁の人生を送ってきた金田シンペイ(入社7年目の29歳)。社運を賭けたプロジェクトのリーダーに抜擢…

『リーダーはじめてものがたり』 - チームリーダーの諸条件 

会社や組織で、数年間働くと、常設部署の「長」は時期尚早だとしても、特定のプロジェクトチームなどのリーダーを任されることはまれではありません。なかには、それまでチームやグループを引っ張るという役回りなど演じてこなかった人がたくさんいます。自…

『マドンナ』 - 五人の男性課長

「職場の人間関係を扱った作品」の第二弾は、奥田英朗『マドンナ』(講談社文庫、2005年)。40代の男性課長5人の日常がユーモア溢れるタッチで浮き彫りにされています。その年代の課長と言えば、部長という上のポストを狙える位置にいるとはいえ、仕事のやり…

『無印OL物語』 - 問題を巻き起こすOLたち

会社という組織では、多種多様な人間が一緒に働くことになります。少なくとも勤務時間内においては、協力したり、分担したりして業務を遂行することが求められます。でも、職場を構成する人たちの性格・考え・体調・家庭環境は、まさに千差万別。たとえ表面…

『お悩み相談室の社内事件簿』 - 持ち込まれるちょっと不思議な相談事の真相

「相談室を扱った作品」の第二弾は、浅海ユウ『お悩み相談室の社内事件簿 会社のトラブルすべて解決いたします』(マイナビ出版ファン文庫、2019年)。総合商社「高岡物産」で、総務部が管轄する「お悩み相談室」の主任として異動することになった松坂紫音。…