経済小説イチケンブログ

経済小説案内人が切り開く経済小説の世界

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『ミッキーマウスの憂鬱』 - 職場としてのディズニーランド! 

「遊園地・娯楽施設を扱った作品」の第二弾として、東京ディズニーランドをモデルにした作品をもうひとつ紹介します。松岡圭祐『ミッキーマウスの憂欝』(新潮文庫、2008年)です。そこでアルバイトをすることになった青年の目を通して、「職場としてのディ…

『夢を喰らう』 - 「夢と魔法の王国」を作り上げた「土地の錬金術」

2019年のゴールデンウィークは、5月1日に皇太子殿下の即位式が行われることで、4月27日(土)から5月6日(月・振替休日)までの10連休となります。行楽地は、どこも大賑わいとなることでしょう。そこで、「遊園地・娯楽施設を扱った作品」を四回に分けて紹介…

『特捜投資家』 - 不正企業を叩き潰し、大胆におカネを稼ぐ

「おカネを題材にした作品」の第四弾は、永瀬隼介『特捜投資家』(ダイヤモンド社、2018年)です。なにものにも動じない冷静な判断力を身に着けた個人投資家が大悪人に熾烈な戦いを挑む姿を描いています。 [おもしろさ] 地検特捜部に代わって、不正企業を叩…

『拝金』 - お金を手にしないとわからない世界が! 

「おカネを題材にした作品」の第三弾は、堀江貴文『拝金』(徳間書店、2010年)です。謎のオッサンがフリーターの青年を「金で買えないものはない」と言えるぐらいのお金持ちに変えていくというストーリー。著者は、ライブドアの元社長。 [おもしろさ] 金が…

『億男』 - 宝くじで当てた3億円を親友に持ち逃げされる!  

「おカネを題材にした作品」の第二弾は、川村元気『億男』(マガジンハウス、2014年)です。宝くじで3億円を当てた男と、ベンチャーを起業して大富豪となった男のおカネをめぐる物語です。2018年に佐藤健さんや高橋一生さんが出演した映画『億男』の原作本。…

『おカネの教室』 - 中学生が「おカネの世界」と出会うとき

4月9日、政府は、1万円札、5千円札、千円札のデザインを一新すると発表しました。実際に印刷されるのは5年後の2024年度。しかし、偽造対策の強化、新紙幣をつくる技術の継承、経済効果など、紙幣一新のニュースは、いろいろな角度からメディアで取り上げられ…

『サヨナラ坂の美容院』 - こんな美容院に行ってみたい! 

「理容師と美容師を扱ったお仕事小説」の二作目は、石田空『サヨナラ坂の美容院』(マイナビファン文庫、2017年)。美容師法によりますと、美容とは「パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること」と定義されています。「失恋し…

『キリの理容室』 - いったいどんな髪型に? それは鏡を見てのお楽しみ! 

首都圏では、桜の花のシーズンがほぼ終わりを告げました。春が本格化してきました。心地よい風を感じる季節になると、髪の伸び具合が少し気になり、カットしてもらいたくなってくるのは、私だけでしょうか? 季節の変わり目、人生の節目、活動する場の移動、…

『下町ロケット ヤタガラス』 - 佃製作所のものづくりを支える「心意気」! 

「先端技術を扱った作品」の第三弾は、「自動運転トラクター」の開発を扱った池井戸潤『下町ロケット ヤタガラス』(小学館、2018年)です。東京大田区にある町工場・佃製作所の社長である佃航平を主人公にした『下町ロケット』は、テレビで放映され、人気を…

『人工知能』 - 「万能の神」か、それとも「人間の仕事を奪う悪」なのか? 

「先端技術を扱った作品」の第二弾は、幸田真音『人工知能』(PHP研究所、2019年)です。第一弾として紹介した『小説EV戦争』は、「電気自動車という次世代自動車の開発」を扱った作品でしたが、自動車をめぐるパラダイムシフトには、もうひとつの構成領域と…

『小説EV戦争』 - 日中韓の複雑怪奇な対立と協力の構図

4月1日、新しい元号が発表されました。「令和」と呼ばれる次の時代において確実に進行するのは、さまざまな領域における「パラダイムシフト」です。それは、従来のシステム・制度・常識が通用しなくなり、まったく異なった次世代のものに取って代わられてい…

『図書館ホスピタル』 - 自分の仕事を好きになることで発見できる働きがい! 

「新入社員を応援する作品」の第三弾は、三萩せんや『図書館ホスピタル』(河出書房新社、2016年)です。図書館に就職したばかりの女性スタッフが、日常的な仕事を通して、本の魅力を発見し、働きがいを見出していきます。本書を読まれるあなたも、「図書館…

『走れ! ビスコ』 - 戦力外だった新入社員が走り始めるとき!

「新入社員を応援する作品」の第二弾は、中場利一『走れ!ビスコ』(幻冬舎、2009年)です。新入社員が自分のやるべきことを見つけ、実践していくプロセスが、コミカルなタッチで描かれています。笑いすぎて涙が出てしまいそうなシーンのオン・パレードです…