経済小説イチケンブログ

経済小説案内人が切り開く経済小説の世界

2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『黄色いバスの奇跡』 - 倒産寸前のバス会社が地域で愛される会社に変貌

「企業をモデルにした作品」の第二弾は、吉田理宏『黄色いバスの奇跡』(総合法令出版、2013年)です。第一弾と同様、「企業の再生・活性化」を扱った作品。今回のモデルは、北海道帯広市にある十勝バス(略称勝バス)です。かつて倒産寸前まで追い込まれた…

『奇跡の改革』 - 富士フイルムによる「アスタリフト」の開発物語がモデル

経済小説の対象として、最も大きなウエイトを占めるのは、企業を扱った作品です。かつて「経済小説=企業小説」と考えられていたのは、そうした理由があったからです。さらに、企業を素材にした作品のなかには、実在の企業をモデルにした小説が多くあります…

『みかづき』 - 学ぶ喜びを知らない子どもたちを照らし続けた学習塾の教師と経営者

「ドラマの原作本」の第六弾は、森 絵都『みかづき』(集英社文庫、2018年)。まだ世の中で知られていない頃に学習塾を立ち上げ、時代の流れに乗って急成長させた大島吾郎と大島千明の苦難の物語です。そして、2019年1月26日スタートのNHK土曜ドラマ『みかづ…

『本日はお日柄もよく』 - スピーチの苦手な人、是非ともお読みください! 

「ドラマの原作本」の第五弾となるのは、原田マハ『本日は、お日柄もよく』(徳間文庫、2013年)。スピーチライターを描いたお仕事小説の傑作です。2017年にWOWOWで 放映された『本日は、お日柄もよく』の原作です。ドラマでは、比嘉愛未さんや長谷川京子さ…

『琥珀の夢 小説鳥井信治郎』-「やってみなはれ」の気概が創り上げた洋酒文化

「ドラマの原作本」の第四弾は、伊集院静『琥珀の夢 小説鳥井信治郎』(上下巻、集英社、2017年)。2018年にテレビ東京で放映されたドラマ『琥珀の夢』の原作です。内野聖陽さんが熱演した、サントリーの創業者である鳥井信治郎は、とても印象深いものでした…

『書店ガール』シリーズ - 書店員の成長と書店の変化をめぐる10年間の時の流れ

「ドラマの原作本」の第三弾で取り上げるのは、碧野圭『書店ガール』シリーズです。第1巻の原題は2007年に刊行された『ブックストア・ウォーズ』。2012年の文庫本化に当たって『書店ガール』に改題されました。その後、シリーズ化され、2018年の完結編に至る…

『ラストチャンス 再生請負人』-行く手を阻む「七つの試練」が人生に深みを与える

「ドラマの原作本」の第二弾は、江上剛『ラストチャンス 再生請負人』(講談社文庫、2018年)。2018年7月期に、テレビ東京のドラマBizで放映された『ラストチャンス 再生請負人』の原作。元銀行マンの樫村徹夫が、崖っぷちの飲食業を再生する波乱万丈の物語…

『わたし、定時で帰ります。』 - しっかり仕事して、定時で帰る。なぜいけないの? 

経済小説って、なんだか難しそう! そのようなイメージを持っておられる方が多いかもしれませんね。でも、あの小説も実は経済小説なのですよ。そうした事実を知ってもらいたいという思いで、今日から、数回にわたって、「ドラマの原作本」を紹介していきたい…

お仕事小説 - 仕事について、知恵と勇気とヒントを与えてくれる

2019年2月9日(土)、東京都立中央図書館で、「お仕事小説から考える女性の働き方」というテーマで、講演会が開催されました。経済小説案内人として登壇してきました。 第一部では、主催者の挨拶のあと、私の方から、「お仕事小説とはどういうものなのか」「…

お仕事小説のキホン

経済小説案内人イチケンです。 三日間にわたって、経済小説の基礎知識をご紹介しました。 今日は番外編として、経済小説の中で近年急成長している一分野を取り上げます。 1 お仕事小説とは、どのようなもの? 2 お仕事小説の効用とは? 3 どのような作家…

経済小説のキホン③

経済小説案内人イチケンです。経済小説の基礎知識をご紹介しています。 前回は「役割・意義」や、「ジャンル」について、お伝えしました。 最終日の今日は、こちらの二つのキホンについて取り上げます。 6 経済小説の作家には、どのような人がいるの? A)…

経済小説作家として堺屋太一さんが遺されたもの!

本日、堺屋太一さんの訃報に接し、とても残念な気持ちです。彼の業績は多岐にわたっていますが、経済小説案内人しては、彼の代表作である『団塊の世代』と『油断!』を思い起こさざるを得ません。前者は、高齢化社会に突入する前に、深刻な中高年問題が引き起…

経済小説のキホン②

経済小説案内人イチケンです。経済小説の基礎知識をご紹介しています。 前回は「経済小説とは」や、「経済小説のおもしろさ」を、お伝えしました。 二日目の今日は、こちらの三つのキホンについて取り上げます。 3 経済小説の役割・意義って、どんなところ…

経済小説のキホン

経済小説案内人イチケンです。今日は経済小説の基礎知識を、ご紹介していこうと思います。 1 経済小説とは、どのようなもの? 2 経済小説のおもしろさは? 1 経済小説とは、どのようなもの? これまで、経済小説についての明確な定義はありませんでした。…

経済小説案内人の自己紹介

経済小説が面白い! 1300冊以上読破した 東京経済大学名誉教授 1983年からのライフワーク 経済小説案内人イチケンです。改めて自己紹介したいと思います。 このブログを読まれた方へのメッセージ 経済小説案内人イチケン 先生、おもしろい授業があります! …

経済小説との出会い

経済小説案内人イチケンです。経済小説に魅了されて36年。1300冊以上読んできました。 「先生! とても面白い講義があります!!」 「おもしろくてタメになった!」 1983年からのライフワークへ 「先生! とても面白い講義があります!!」 私と経済小説との…

経済小説の世界へようこそ

初めまして。経済小説案内人イチケンと申します。大学で38年間教鞭を執ってきました。在任中に経済小説と出会い、魅了され、教材として取り上げて、学生たちに面白さを伝えてきました。これまでに読んだ経済小説は、1300冊以上になります。このブログでは、…