経済小説イチケンブログ

経済小説案内人が切り開く経済小説の世界

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『隠されたパンデミック』 - ウイルスとは? 感染症とは? 対策とは? 

「パンデミックを扱った作品」の第二弾は、岡田晴恵『隠されたパンデミック』(幻冬舎文庫、2009年)です。鳥に由来し、重症の全身性疾患を引き起こす強毒性のH5N1型ウイルスとは異なり、豚に由来し、主に呼吸器感染を引き起こす弱毒性のH1N1型ウイルスによ…

『首都感染』 - 致死率60%以上という強毒性のウイルスが蔓延すると! 

依然として、新型コロナウイルスに悩まされる日が続いています。コロナウイルスは、ヒトを含む哺乳類や鳥類などに広く存在。2002年に中国広東省で発生したSARS、2012年に中東地域を中心に発生したMERSも、コロナウイルスの一種です。新型コロナウイルス感染…

『ラーメン屋の看板娘が経営コンサルタントと手を組んだら』 - ラーメン屋の再生に必要なものは? 

「飲食店を扱った作品」の第三弾は、木村康宏『ラーメン屋の看板娘が経営コンサルタントと手を組んだら』(幻冬舎、2011年)。つぶれかけたラーメン屋が経営のプロのアドバイスによってよみがえる話。ラーメン屋をほかの業態に置き換えてみると、より広く飲…

『握る男』 - 鮨屋の下働きから「外食産業の帝王」に成り上がる男

「飲食店を扱った作品」の第二弾は、原宏一『握る男』(角川文庫、2015年)。悪知恵と謀略により、鮨屋の下働きから始まって「外食産業の帝王」に成り上がっていく男の物語。「握る」という言葉には、「鮨を握る」「キンタマを握る」「人心を掌握する」とい…

『天使はここに』 - 生き生きと仕事に取り組むことのすがすがしさ

食生活には、①飲食店などで食べる「外食」、②家で素材から調理したものを食べる「内食」、③調理・加工済みの食品、惣菜、弁当などを家庭・職場・学校・屋外などに持ち帰って食べる「中食」の三種類があります。新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣…

『BUTTER バター』 - 連続不審死事件の「真相」を追いかけるなかで

「記者を扱った作品」の第四弾は、柚木麻子『BUTTER バター』(新潮社、2017年)。2007~09年にかけて起こった首都圏連続不審死事件。愛人業を生業としていた梶井真奈子(1980年生まれ。木嶋佳苗がモデル)が出会い系や婚活サイトを介して知り合った男性たち…

『スクープのたまご』 - 苦悩と悩みと不安のなかでも羽ばたける

「記者を扱った作品」の第三弾は、大崎梢『スクープのたまご』(文藝春秋、2016年)。大手出版社の千石社に入社して2年目の信田日向子。発行部数60万部という日本を代表するトップクラスの週刊誌『週刊千石』編集部に異動となり、記者として活動する彼女の苦…

『クライマーズ・ハイ』- 未曾有の航空機事故を契機に蘇る記者魂

「記者を扱った作品」の第二弾は、横山秀夫『クライマーズ・ハイ』(文春文庫、2006年)。群馬県の架空の地方新聞社「北関東新聞」が舞台。1985年の日航ジャンボ機墜落事故の際、全権デスクに任命された悠木和雅の格闘を描いています。未曾有の大事故の報道…