経済小説イチケンブログ

経済小説案内人が切り開く経済小説の世界

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『小説土佐堀川』 - 明治の女性実業家・広岡浅子の人物像 

放映中のNHK大河ドラマ『青天を衝け』。渋沢栄一をはじめ、五代友厚や岩崎弥太郎など、近代日本の経済的な基盤を創った実業家が登場します。渋沢は元幕臣、五代は元薩摩藩士、岩崎は元土佐藩士と、いずれもれっきとした武士の出身。皆、男性です。当時はまだ…

『禁断のスカルペル』 - 賛否が入り混じる、腎移植が生み出す波紋

「医師を扱った作品」の第四弾は、久間十義『禁断のスカルペル』(日本経済新聞出版社、2015年)です。東北のある中規模地域病院が舞台。陸奥哲郎医師の指導のもと、卓抜な技術を有した医師たちによる腎臓移植術が行われていました。しかし、悪くなった腎臓…

『チーム・バチスタの栄光』 - 大学病院でのミステリアスな出来事の真相は? 

「医師を扱った作品」の第三弾は、海堂尊『新装版 チーム・バチスタの栄光』(宝島社文庫、2015年)。そのミステリアスな出来事は果たして「殺人」なのか? 真相が解き明かされていく医療ミステリーです。大学病院における組織や医療の実情、チームで手術を…

『トップナイフ』 - 知られざる脳外科医の世界

「医師を扱った作品」の第二弾は、林宏司『トップナイフ』(河出文庫、2019年)です。トップナイフとは、医師の中でも超一流の技術を持った「頂点の外科医」にのみ与えられる最高の称号。天才的な脳外科医たちの苦悩と希望が描かれています。多くの脚本を手…

『泣くな研修医』 - 泣いて、笑って、大いに悩んで

テレビドラマでよく取り上げられるお仕事のひとつに、医師があります。医師とは、医師法の適用を受けて、病気の診察、治療、投薬に当たる人のこと。もっぱら研究に従事する研究医を除けば、勤務医と開業医の違いはあるものの、医師の大部分は、患者とじかに…

『投資銀行青春白書』 - 外資系投資銀行のリアルな日常

「外資を扱った作品」の第三弾は、保田隆明『投資銀行青春白書』(ダイヤモンド社、2006年)です。経済や株式の知識をまったく持っていないにもかかわらず、外資系投資銀行「マンハッタン証券」に就職した「イマドキのOL」の奮闘記。企業の合併(M&A)や資金…

『外資のオキテ』 - 外資系企業で働きたい! 

「外資を扱った作品」の第二弾は、泉ハナ『外資のオキテ』(角川文庫、2018年)です。外資系企業で働くことを夢見てきた女性が実際に働いてみて経験することになる出来事がリアルに描写されています。就職先を斡旋する派遣会社とのあるべき関係についても考…

『ハゲタカ』 - 外資は日本企業を食い物にするハゲタカか? 

経済のグローバル化が進んだ1990年代、外国の資本が日本に大挙して押し寄せました。多くの企業が外資系企業によって買収されました。その結果、外資という存在が大きくクローズアップ。が、その実態は依然としてベールの中です。外資系企業で働いている人た…

『小悪党』 - 詐欺を「騙される側」から見ると

「詐欺師を扱った作品」の第三弾は、山崎将志『小悪党』(日本経済新聞出版社、2014年)です。先に紹介した『地面師たち』と『トロイの木馬』は、いずれも詐欺という行為を「騙す詐欺師の視点」から見た作品でした。それに対して、この『子悪党』はいわば「…