経済小説イチケンブログ

経済小説案内人が切り開く経済小説の世界

2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『屈折率』 - 男は女の愛情を受けることでガラス工場の再生に挑んだ! 

「町工場を扱った作品」の第三弾は、佐々木譲『屈折率』(光文社、2018年)。東京・大田区のガラス工場でのものづくりを描いています。また、その町工場を舞台に、「経営者の男性」と「ガラス工芸作家の女性」が、「屈折率」という言葉を使って、それぞれに…

『わたし、型屋の社長になります』 - 孤高で堅牢、繊細で美しいもの。その名は金型! 

「町工場を扱った作品」の第二弾は、上野歩『わたし、型屋の社長になります』(小学館文庫、2015年)です。OLだった花丘明希子(29歳)が、父親が経営していた樹脂金型の受注工場である、従業員30名ほどの花丘製作所の社長に就任。町工場の厳しい現実と向き…

『ハゲタカ外伝 スパイラル』 - 町工場の苦悩と希望

月曜日午後10時、4月15日からテレビ東京系でドラマBiz『スパイラル~町工場の軌跡~』が放映されています。玉木宏さんが、企業再生家でマジテック専務取締役の芝野健夫として毎回、熱演されています。ご覧になっている方も多いのではないでしょうか。舞台は…

『和菓子のアン』 - 和菓子の魅力と奥深さをあなたに! 

「食べ物を扱った作品」の第三弾は、坂木司『和菓子のアン』(光文社文庫、2012年)です。 和菓子には関心も知識もなかった18歳のアンちゃんが、デパ地下の和菓子屋で働くなかで和菓子の魅力と和菓子屋の店員としての働きがいを見出していきます。 [おもしろ…

『ヴルスト!ヴルスト!ヴルスト!』 - ヴルスト(ソーセージ)作りの奥深い世界

「食べ物を扱った作品」の第二弾は、原宏一『ヴルスト!ヴルスト!ヴルスト!』(光文社文庫、2016年)です。還暦目前のオヤジと中途半端な生き方を変えようとする青年がヴルスト(ソーセージ)作りに精魂を傾ける姿を描いています。 [おもしろさ] ヴルスト…

『めんたいぴりり』 - 博多名物「辛子明太子」の誕生物語

寒くもなく、暑くもない。一番過ごしやすい時期ですね。このようなときには、好きなものを食べてみたくなるものです。しかし、同じものを食べるとしても、その食べ物のことをよく知っている場合とまったく知らない場合とでは、味わい方にそれなりの差が出て…

『雨にも負けず』 - 世界レベルの技術と優れた経営能力が融合するとき

「経営者のリーダーシップを扱った作品」の第六弾は、高杉良『雨にも負けず 小説ITベンチャー』(角川書店、2019年)です。インターネットで電子ファイルを「安全で確実に」送り届けるサービスを展開しているイーパーセルの北野譲治社長が主人公。技術と経営…

『破天荒フェニックス』 - メガネ業界に新たなビジネスモデルを! 

「経営者のリーダーシップを扱った作品」の第五弾は、田中修治『破天荒フェニックス オンデーズ再生物語』(幻冬舎、2018年)です。激しい競争を展開しているメガネ業界とメガネチェーン店のオンデーズを描いた作品。著者の田中は、同社の社長であり、本書の…

『社長よりも偉いもの』 - 社員のみならず、幹部も会社も成長していく

「経営者のリーダーシップを扱った作品」の第四弾は、西澤亮一『社長よりも偉いもの 新卒に見捨てられた会社の復活物語』(ランダムハウス講談社、2008年)です。「成長していくのは社員だけではない。幹部も会社も、ともに成長していく」。著者は、株式会社…

『陸王』 - 零細企業と世界的なスポーツブランドとの熾烈なバトル

「経営者のリーダーシップを扱った作品」の第三弾は、池井戸潤『陸王』(集英社、2016年)です。従業員27名の老舗足袋業者がランニングシューズ作りで、世界的なスポーツブランドとの熾烈な競争を展開。2017年10月期の日曜劇場(TBS系列)でドラマ化されまし…

『帝王の誤算』 - 手段を選ばぬ強硬策で邁進するリーダー

「経営者のリーダーシップを扱った作品」の第二弾は、鷹匠裕『帝王の誤算 小説 世界最大の広告代理店を創った男』(角川書店、2018年)です。「帝王」という言葉に示されているように、この本の主人公は、徹底したトップダウン型の経営者と言えます。電通を…

『最強の経営者 小説・樋口廣太郎』 - トップダウン型のリーダーシップ! 

5月1日、元号が平成から令和に変わりました。これまでのことをリセットして、新たな一歩を踏み出したい。多くの人々の願いが「令和フィーバー」をもたらしました。しかし、元号が変わったからといって、それまでの環境や課題が一挙に変化するわけではありま…

『水族館ガール』 - あなたが見ている水槽の向こう側の世界! 

「遊園地・娯楽施設を扱った作品」の第四弾は、木宮条太郎『水族館ガール』(実業之日本社文庫、2014年)です。水族館で働く人の業務を描いたお仕事小説。あなたが見ている水槽の向こう側の世界、水族館の舞台裏にも光が当てられていきます。『水族館ガール…

『遊園地に行こう!』 - 閉園の危機から脱出し、奇跡の復活を遂げたワケは! 

「遊園地・娯楽施設を扱った作品」の第三弾は、真保裕一『遊園地に行こう!』(講談社、2016年)です。遊園地の魅力を維持しようとするスタッフたちの懸命な努力と多岐にわたる工夫を描いた作品です。 [おもしろさ] 東京ディズニーランド大成功の陰で 東京デ…