作品紹介
「お仕事いろいろ」というテーマで紹介される作品の第五弾は、黒野伸一『かもめ幼稚園』(MF文庫、2008年)。今年、短大を卒業し、かもめ幼稚園の先生(教諭)になったばかりの「わたし」(ちかこ)。特別の思い入れやモチベーションがあったわけでもありま…
「お仕事いろいろ」というテーマで紹介される作品の第四弾は、松樹剛史『スポーツドクター』(集英社文庫、2005年)。「スポーツが人間にもたらす財産は、元気・感動・仲間・成長だ。これにより人は自分らしく生きることができる。これがスポーツの功だ!」…
「お仕事いろいろ」というテーマで紹介される作品の第三弾は、朱野帰子『海に降る』(幻冬舎文庫、2015年)。有人潜水調査船「しんかい6500」のパイロットをめざす訓練生・天谷深雪の夢と挫折が描写。生き物がたくさんいるのは、広い海のたった5%。残りの95…
「お仕事いろいろ」というテーマで紹介される作品の第二弾は、上野歩『鋳物屋なんでもつくれます』(小学館文庫、2020年)。祖父の勇三が起こした「清澄鋳造」で働く清澄流花の奮闘ぶりが描かれています。「金属を溶解して型に流し込み、製品をつくるのが鋳…
このブログは基本的に、テーマを決めて、それに合った複数の作品を紹介するという形式を採っています。ただ、そうなると、同じテーマの本を二冊以上読み込まないと、紹介できないことになります。そこで、今年の2月6日~2月27日に「お仕事いろいろ」というテ…
「ハイブリッド型の店を扱った作品」の第三弾は、竹内真『だがしょ屋 ペーパーバック物語』(だいわ文庫、2017年)。舞台は「だがしょ屋」。平台には駄菓子、壁の棚には古い文庫本が並べられています。店主の世原ヤマトと、脚本家志望の塚田祥介や女優をめざ…
「ハイブリッド型の店を扱った作品」の第二弾は、朝倉かすみ『タイム屋文庫』(潮文庫、2019年)。31歳の市居柊子が15年間に集めたタイムトラベルにちなんだ本・CD・DVDは五百点ほど。それらをベースにした貸本屋を開設します。ただ、収入源はアルバイト。な…
商店には、多くの商品をワンストップで購入できるデパートや総合スーパーから非常に専門的な商品のみを販売する個人商店まで、さまざまな形があります。そのなかで、近年、注目されている業態として、「ハイブリッド店舗」があります。具体的には、ネット販…
「摩訶不思議な内閣を扱った作品」の第三弾は、三橋貴明『コレキヨの恋文 新米女性首相が高橋是清に国民経済を学んだら』(小学館、2012年)。政治経験が浅く、経済に関する知識や見識も乏しい新米の女性総理・霧島さくら子。年に一度、桜の季節に高橋是清(…
「摩訶不思議な内閣を扱った作品」の第二弾は、室積光『史上最強の内閣』(小学館、2010年)。わが国が本物の危機に直面したときのためにあらかじめ用意されていた極秘の「一軍内閣」。日本を守るために登場したその内閣は、どのような働きをするのか? [お…
組織のリーダーたる者は、いかなるときでも、そのより良き未来を求めて努力するべき存在であってほしいものです。とはいえ、現状を大きく変える政策・方針を提示し、実行に移すのは、必ずしも容易なことではありません。とりわけ、ぬるま湯にどっぷりつかり…
「商社マンを扱った作品」の第六弾は、大原省吾『レバレッジ』(双葉社、2013年)。イラク北部のクルド人自治区にある北部第一鉱区に、レアメタルのリチウムが埋蔵されているのではという情報を得た総合商社の五陵商事。資源メジャーもまた、同じ情報をゲッ…
「商社マンを扱った作品」の第五弾は、浅田次郎『ブラック オア ホワイト』(新潮社、2015年)。祖父や父と同じ商社に勤務した都築栄一郎もすでに現役を引退し、社会的に隠遁した身。悔悟でも未練でもグチでもなく、「実現できなかった人生の一部」を「夢物…
「商社マンを扱った作品」の第四弾は、安土敏『企業家サラリーマン』(講談社文庫、1989年)。高度成長の終焉とともに「冬の時代」に入ったと言われた総合商社。活路のひとつに、いわゆる「川下作戦」があります。本書では、川下作戦がいかにむずかしいのか…
「商社マンを扱った作品」の第三弾は、咲村観『常務会紛糾す』(講談社文庫、1984年)。オイル・ショックを契機として「冬の時代」に入った総合商社「東邦物産」が舞台。経営陣の古い体質と対決し、経営刷新に執念を燃やした商社マン・沢木健治の姿を描いた…
「商社マンを扱った作品」の第二弾は、咲村観『商社一族 小説穀物戦争』(講談社文庫、1983年)。1970~80年代にあって、アメリカのカーギル、コンチネンタルグレイン、フランスのドレフィス、オランダのブンゲ、スイスのアンドレイ・ガーナックもしくはクッ…
日本に固有な商社はと言えば、海外では主流となっている専門商社ではなく、総合商社になります。それは、非常に幅の広い商品を扱い、業務内容も極めて多岐にわたります。いまでは、海外で仕事をすることは当たり前になっていますが、半世紀ほど前だと、まだ…
「お仕事いろいろ」というテーマのもと、紹介される作品の第四弾は、浜野稚子『野菜ソムリエ農家の赤井さん』(マイナビ出版ファン文庫、2020年)。大学生になり、料理の楽しさを見出した青田モモコ20歳。野菜に興味を持ったことから、野菜ソムリエの資格を…
「お仕事いろいろ」というテーマのもと、紹介される作品の第三弾は、山本甲士『そうだ小説を書こう』(小学館文庫、2012年)。左遷と離婚を経験し、佐賀で一人暮らしを始めた山本宏司。まともな文章を書くことも怪しかった彼が、対話を拒否している一人息子…
「お仕事いろいろ」というテーマのもと、紹介される作品の第二弾は、鳴海澪『ワケアリ結婚相談所-しくじり男子が運命のお相手、探します』(マイナビ出版ファン文庫、2016年)。自分の「しくじり」で離婚してしまった大和田大輔31歳。結婚相談所「愛・燦々…
厚生労働省が定めている職業分類によりますと、日本にある職種の数は約1万8,000種類を超えるようです。驚きですね。これだけあると、職種を聞いても、業務内容をイメージできないケースは非常に多いのではないでしょうか。さらに言えば、たとえよく耳にする…
「農村を扱った作品」の第二弾は、上野遊『農村ガール!』(メディアワークス文庫、2018年)です。レストランに食材を供給するという大手企業「月見食品」。同社にあこがれ、就職できたことで、大喜びした大神 華。ところが、赴任先は秋田の山奥にある営業所…
人口の少子化と高齢化が急ピッチで進んでいる日本。その影響が最も顕著にあらわれている領域に、農村があります。そこでは、担い手不足、耕作放棄地の急増、限界集落の増加など、深刻な多くの問題が未解決のまま。「小規模性、低生産性、低収益性」といった…
「はじめて物語」の第三弾は、谷津矢車『蔦屋』(学研パブリッシング、2014年)です。今年のNHK大河ドラマは、『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』。横浜流星さん演じる主人公・蔦屋重三郎は、江戸時代の出版人。芸術家・作家の才能を発掘した「プロデューサー」…
「はじめて物語」の第二弾は、若山三郎『菓商 小説 森永太一郎』(徳間文庫、1997年)。エンゼルマークで知られている森永製菓。その創業者で、「キャラメル王」と称された森永太一郎の一代記。艱難辛苦の連続だった彼の生涯、後世に伝えられるべきさまざま…
新年あけましておめでとうございます。あなたにとって、2025年が良い一年になることを願いながら、おもしろい経済小説・お仕事小説の紹介を続けていければと思っています。今年もまた、午前9時から午後5時までは、「仕事+趣味」の時間と位置づけ、なにかを…
「下請け企業を扱った作品」の第五弾は、北沢 栄『町工場からの宣戦布告』(産学社2013年)。モノづくりの集積地である東大阪市が舞台。小さな電機部品メーカー「ダイア産業」(従業員70名)を営んでいる湊京太。創業50周年の節目の年、親会社やメインバンク…
「下請け企業を扱った作品」の第四弾は、池井戸潤『下町ロケット ゴースト』(小学館、2018年)。ずば抜けた開発力・技術力を有した中堅企業だと、下請け企業に関する一般的にイメージ-「親会社の言いなりになり、常に弱い立場に置かれてしまう」-とは異な…
「下請け企業を扱った作品」の第三弾は、江波戸哲夫『空洞産業』(徳間文庫、1998年)。1985年のプラザ合意以降、急速な円高が進み、人件費が高騰しました。そうした環境変化に対応するために、多くの日本企業は、海外で現地企業を創設したり、部品調達を海…
「下請け企業を扱った作品」の第二弾は、清水一行『系列』(集英社文庫、1995年)。日本の自動車メーカーはいわば「組立メーカー」。傘下に多くの下請け企業を抱えています。そうしたピラミッド型の組織のなかで、自動車メーカーは、下請け企業の株を20%以…