作品紹介
「研修医」を扱った作品の第三弾は、午鳥志季『それでも、医者は甦る-研修医志葉一樹の手術カルテ-』(メディアワークス文庫、2020年)です。研修医が一人前の外科医になるためには、通常、長い歳月をかけての努力、研修、現場での経験が必要になります。…
「研修医」を扱った作品の第二弾は、林宏司(脚本)、沢村光彦(ノベライズ)『コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命』(扶桑社文庫、2017年)です。どのような患者でも、必要とされるときは必ず行く。絶対に逃げない。「それがドクターヘリなんだ!」。大学…
人を悩ませる大きな要因のひとつに、傷病があります。人の生死を左右するケースもまれではありません。したがって、その予防や診療を担う医師の世界は、ある意味ドラマティックな要素には事欠かない領域と言っても過言ではありません。医療・医師を扱った多…
「カウンセリング」を扱った作品の第二弾は、柊サナカ『ひまわり公民館よろず相談所』(角川文庫、2023年)です。なにかに困ったとき、頼りになる専門家のアドバイスやサポート。「住民いきがい特区」というコンセプトのもと、流山市向日葵町には、どこにで…
悩んだり、困ったり、不安になったりしたとき、自分の考えだけで乗り越えようとしても、うまくいかないことが多いものです。堂々巡りに陥ってしまうからです。そんなとき、頼りになるのは、だれかのアドバイス・サポートにほかなりません。それにより、自分…
「AI」を扱った作品の第五弾は、奥泉光『ビッビ・ビ・バップ』(角川文庫、2019年)です。舞台は、人間とアンドロイドとの境界線がはっきりしないほど、AIが進歩している21世紀末。ジャズピアニストの木藤桐34歳(通称フォギー)は、家や公共空間の音響をデ…
「AI」を扱った作品の第四弾は、逸木裕『虹を待つ彼女』(角川文庫、2019年)です。人工知能の研究者である工藤賢(35歳)が主任設計士として働いているモンスターブレイン。人工知能と会話する人気のアプリ「フリクト」の開発・運営を行っています。同社で…
「AI」を扱った作品の第三弾は、野崎まど『タイタン』(講談社、2020年)です。「仕事なんて、生まれてこのかた一度もしたことがありません」。そのような会話がごく普通になされる2205年が舞台。それは、「タイタン」と称されるAIロボットが人間の代わりに…
「AI」を扱った作品の第二弾は、小橋隆一郎『AIドクターロボット 神の使いか? 悪魔の化身か?』(KKロングセラーズ、2020年)です。日本における認知症罹患者数が予備軍も含めて一千万人を超えていると推計されている203X年が舞台。政府の認知症対策の一環…
かつては、ロボットが人間と会話をしたり、家事をしたり、人間に恋愛感情を抱いたりすることは、ほぼ「SFの世界」の出来事でした。ところが、急激に発展したAI(人工知能)の技術は、近い将来、そうした行為を可能にさせつつあるようです。確かにAIは、人間の…
「南杏子が描く医療現場」として紹介する作品の第三弾は、南杏子『希望のステージ』(講談社文庫、2021年)です。東京の西に位置する玉手市市民会館のステージに立つ出演者に医療サポートを行う女性医師・葉村菜々子。重い病気や障害を抱えながらも、どうし…
「南杏子が描く医療現場」として紹介する作品の第二弾は、南杏子『ディア・ペイシェント』(幻冬舎文庫、2020年)です。川崎市にある民間総合病院「佐々井記念病院」。「患者様プライオリティー」を唱える高峰新事務長(元エリート銀行マン)の方針が、病院…
女性医師を主人公にした優れた作品を多く上梓されている作家の南杏子さん。医療小説には、一般の人にはなじみのない専門的知識がふんだんに盛り込まれています。そのため、書き手には、医師や看護師などとして、実際に医療に携わった経験のある方々がおられ…
「探偵」を扱った作品の第三弾は、五十嵐貴久『盗まれた視線 吉祥寺探偵物語』(双葉文庫、2015年)。コンビニで働きながら、小学生の息子を育てている川庄篤史。事務所を開設しているわけではないものの、頼まれれば、探偵業務も引き受けるという、いわば「…
「探偵」を扱った作品の第二弾は、神永学『タイム・ラッシュ-天命探偵 真田省吾』(新潮文庫、2008年)。苦悶の表情で叫ぶ少年、ナイフで刺され、床を転げまわる女性、電車にはねられバラバラになる男……。それらは、19歳の中西志乃が見る夢の中に出てくる「…
探偵とは、トラブルを抱える法人や個人の依頼を受けて、調査を行ったり、仲裁をしたり、助言をしたり、護衛や手助けをしたりといったさまざまな業務を行う職業です。ミステリー小説や映画などでは、その華々しい活躍がしばしば取り上げられます。ところが、…
「過疎のまち・むら」というテーマで紹介される作品の第二弾は、奥田英朗『向田理髪店』(光文社文庫、2018年)。北海道の中央部にある苫沢町は、昭和30年代には人口8万人を超える日本有数の炭鉱都市でした。ところが、石炭から石油への転換が進むと、衰退が…
いま、わが国が抱える最大の難題のひとつに、人口の少子化・高齢化があります。その弊害が最も深刻化しているのは、地方の市町村です。かつてはごく普通に提供されていたさまざまな行政サービスの多くが縮小されたり、廃止されたりしています。雇用機会が減…
「お仕事いろいろ」というテーマで紹介される作品の第七弾は、小森陽一『オズの世界』(集英社文庫、2015年)。波平久瑠美22歳が東京ディズニーランドを初めて訪れたのは、幼稚園のとき。それ以来、寝ても覚めても、頭のなかはディズニーランドのことで一杯…
「お仕事いろいろ」というテーマで紹介される作品の第六弾は、いぬじゅん『新卒ですが、介護の相談うけたまわります』(一迅社メゾン文庫、2018年)。舞台は、浜松市の福祉施設。相談員の経験が皆無ですが、「介護保険外相談所クルクマ」に配属され、相談員…
「お仕事いろいろ」というテーマで紹介される作品の第五弾は、黒野伸一『かもめ幼稚園』(MF文庫、2008年)。今年、短大を卒業し、かもめ幼稚園の先生(教諭)になったばかりの「わたし」(ちかこ)。特別の思い入れやモチベーションがあったわけでもありま…
「お仕事いろいろ」というテーマで紹介される作品の第四弾は、松樹剛史『スポーツドクター』(集英社文庫、2005年)。「スポーツが人間にもたらす財産は、元気・感動・仲間・成長だ。これにより人は自分らしく生きることができる。これがスポーツの功だ!」…
「お仕事いろいろ」というテーマで紹介される作品の第三弾は、朱野帰子『海に降る』(幻冬舎文庫、2015年)。有人潜水調査船「しんかい6500」のパイロットをめざす訓練生・天谷深雪の夢と挫折が描写。生き物がたくさんいるのは、広い海のたった5%。残りの95…
「お仕事いろいろ」というテーマで紹介される作品の第二弾は、上野歩『鋳物屋なんでもつくれます』(小学館文庫、2020年)。祖父の勇三が起こした「清澄鋳造」で働く清澄流花の奮闘ぶりが描かれています。「金属を溶解して型に流し込み、製品をつくるのが鋳…
このブログは基本的に、テーマを決めて、それに合った複数の作品を紹介するという形式を採っています。ただ、そうなると、同じテーマの本を二冊以上読み込まないと、紹介できないことになります。そこで、今年の2月6日~2月27日に「お仕事いろいろ」というテ…
「ハイブリッド型の店を扱った作品」の第三弾は、竹内真『だがしょ屋 ペーパーバック物語』(だいわ文庫、2017年)。舞台は「だがしょ屋」。平台には駄菓子、壁の棚には古い文庫本が並べられています。店主の世原ヤマトと、脚本家志望の塚田祥介や女優をめざ…
「ハイブリッド型の店を扱った作品」の第二弾は、朝倉かすみ『タイム屋文庫』(潮文庫、2019年)。31歳の市居柊子が15年間に集めたタイムトラベルにちなんだ本・CD・DVDは五百点ほど。それらをベースにした貸本屋を開設します。ただ、収入源はアルバイト。な…
商店には、多くの商品をワンストップで購入できるデパートや総合スーパーから非常に専門的な商品のみを販売する個人商店まで、さまざまな形があります。そのなかで、近年、注目されている業態として、「ハイブリッド店舗」があります。具体的には、ネット販…
「摩訶不思議な内閣を扱った作品」の第三弾は、三橋貴明『コレキヨの恋文 新米女性首相が高橋是清に国民経済を学んだら』(小学館、2012年)。政治経験が浅く、経済に関する知識や見識も乏しい新米の女性総理・霧島さくら子。年に一度、桜の季節に高橋是清(…
「摩訶不思議な内閣を扱った作品」の第二弾は、室積光『史上最強の内閣』(小学館、2010年)。わが国が本物の危機に直面したときのためにあらかじめ用意されていた極秘の「一軍内閣」。日本を守るために登場したその内閣は、どのような働きをするのか? [お…