2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧
「頭取を扱った作品」の第三弾は、浜崎裕治『実録 頭取交替』(講談社、2014年)。ある地方銀行を舞台に繰り広げられる熾烈な権力抗争が描かれています。著者は、山口銀行で新宿支店長、大阪支店長、北九州支店長、取締役宇部支店長などを歴任した人物。 [お…
「頭取を扱った作品」の第二弾は、橋口収『[小説] 銀行頭取』(経済界、2005年)。地方銀行の頭取に「天下り」した人物が、リーダーシップをとって行内改革に奮闘します。著者は、大蔵省の主計局長、国土事務次官、公正取引委員会委員長を経て、1984年に広島…
一般の会社でトップに当たるのが社長。ところが銀行の場合、そのトップは頭取と呼ばれています。それは、明治5(1872)年に制定された国立銀行条例において、銀行の代表者を「頭取」とすると定められたことに端を発しています。字面を見ると、「トップ=頭を…
「警備員を扱った作品」の第二弾は、室積光『ドスコイ警備保障』(小学館文庫、2006年)。もし全社員が元力士という警備会社ができたら、いかなる展開があり得るのでしょうか? なにしろ、立ち合いのスピードはオリンピックの短距離選手並み、体重百キロを軽…
クルマを運転していると、道路工事などで片側通行を余儀なくされる場面に出くわすことがよくあります。制服を着て、誘導灯を持った警備員の指示に従って通行していれば、特段、問題が生じるわけではありません。そのため、誘導されている警備員の仕事ぶりに…
「転職を扱った作品」の第四弾は、垣根涼介『君たちに明日はない』(新潮文庫、2007年)。ここまでに紹介した三つの作品は、いずれも転職が本人の自発的な意思によって行われたケースでした。ところが、本人の意に反して、転職を余儀なくされるケースもない…
「転職を扱った作品」の第三弾は、雫井脩介『引き抜き屋(1)鹿子小穂の冒険 』(PHP研究所、2018年)。転職を支援することをビジネスにしているのがヘッドハンティング会社。そこで働くヘッドハンターたちの仕事ぶりは、これまであまり知られてはいない「未…
「転職を扱った作品」の第二弾は、滝羽麻子『株式会社ネバーラ北関東支社』(幻冬舎文庫、2011年)。30歳目前で「想定外の事実」にうろたえ、パニックになった弥生。転職を決意し、東京を離れ、北関東のある都市で働き始めるなかで、徐々に自分自身をとり戻…
2020年11月28日(土)付『日本経済新聞』の土曜版。「NIKKEI プラス1」の「何でもランキング」で取り上げられたテーマは「お仕事小説」でした。仕事に取り組む姿を描くお仕事小説。私を含めた12名の「専門家」の評価を点数化することで選ばれた15点の作品が…
高度成長期(1955~73年)にあって、年功序列、企業別労働組合とともに、「日本的経営」の「三大特徴」のひとつとされたのが「終身雇用制度」。新入社員として入った会社で定年まで働くというその制度。完全になくなったわけではないものの、すでに大きく変…
「老後資金を扱った作品」の第二弾は、松村美香『老後マネー戦略家族!』(中公文庫、2017年)。「夫婦が90歳まで生きるとすると、必要な金額は、年金を除けば3000万円」。そういう情報をもとに始まった、ある中流家庭のマネー戦略=「資金ゲット」作戦が描…