2024-01-01から1年間の記事一覧
製造業では従業員300人以下、サービス業であれば、従業員100人以下の企業は、中小企業と定められています。『中小企業白書』(2024年版)によると、国内の中小企業(336万4891社)で企業総数の99.7%、従業者数(3309万8442人)では全体の69.7%を占めています…
「築地市場を扱った作品」の第二弾は、原宏一『ヤッさん』(双葉文庫、2012年)。主人公のヤッさんは、築地市場と料理店を行き来し、料亭でもホテルでも厚遇される不思議なホームレス。築地と料亭・レストラン・ホテルなどの料理人を結びつける優れたコーデ…
「東京で、美味しい魚を売っている市場はどこにあるのか」と尋ねられたら、多くの人は「築地」、2018年以降だと「豊洲」と答えるのではないでしょうか! 生鮮食料品を扱っている東京中央卸売市場「日本の台所」の一角を構成し、魚市場としての役割を果たして…
「左遷・降格を扱った作品」の第四弾は、江波戸哲夫『集団左遷』(祥伝社ノン・ポシェット、1995年)。バブル崩壊後の不況期、到底達成できない目標を課すことで、50名もの社員を解雇することを目的に、三有不動産の副社長が創設した「首都圏特販部」。本部…
「左遷・降格を扱った作品」の第三弾は、鈴木孝博『左遷社員池田リーダーになる』(リーブル出版、2016年)。ドレッシングやソースの製造・販売を手掛ける中堅メーカー「フリージア」の中堅社員である池田俊一が主人公。社員の意見をよく反映させ、一丸とな…
「左遷・降格を扱った作品」の第二弾は、タマヤ学校VIP4・第5班、田山敏雄・監修『偉大なる敗北者たち』(経済界、2006年)。横浜の本社から大阪支社への配置転換のあと、今度は左遷の憂き目に会う森島英司30歳。彼は、逆境を克服するだけではなく、さらには…
業績を上げたり、貢献したりする人は、報酬の引き上げや昇格・出世という形で報われる。逆に、大きなミスや失敗で、業績を悪化させた人には、降格や左遷などが待ち受けていることも。どちらも、会社員にとっては、ごく普通の出来事。ところが、一生懸命頑張…
「秘書と政治家を扱った作品」の第二弾は、伊兼源太郎『金庫番の娘』(講談社文庫、2022年)。政権与党である民自党の有力政治家・久富隆一の秘書を父に持つ藤木花織32歳。10年間勤務した大手商社を辞し、久富事務所に転職。当初、政治家の秘書という仕事に…
選挙で当選したとき、大臣になったとき、テレビや雑誌のインタビューを受けたとき、不祥事を起こしたときなど、なにかと世間から注目される政治家たち。他方、彼らを支える秘書たちに、輝かしいスポットライトが当てられることはほとんどないと言えるでしょ…
「定年を扱った作品」の第三弾は、堀川アサコ『定年就活 働きものがゆく』(角川文庫、2022年)。40年間の会社員生活を終えて定年退職した花村妙子60歳。働かないと落ち着かない。でも働きを見つけるのは大変なこと。働きがいのある職場、正社員のポスト、仕…
「定年を扱った作品」の第二弾は、西田小夜子『定年漂流』(小学館文庫、2005年)。定年をどのように迎えるのか、当事者たちの葛藤はいかなるものなのか? 「会社」という鎧をはぎ取られて、心もとなき日常に直面することになった男性たちの心の内(ワクワク…
自営でない限り、働いている人のほとんどが経験する定年。「十分働いたので、あとは悠々自適で過ごしたいと考えている人」がおられることでしょう。逆に「まだまだ働きたいと考えている人」もおられるのではないでしょうか。しかし、定年退職する人の大半に…
「警備会社を扱った作品」の第二弾は、渡辺容子『ボディガード 二ノ宮舜』(講談社文庫、2015年)。スルガ警備保障に勤務する二ノ宮舜26歳。依頼主の身の安全を守るために死力を尽くすBG(ボディガード)の仕事と心の内が描写されています。『左手に告げるな…
警備業務従事者のうち、最も身近な人はというと、車で走行しているときにしばしば出くわす交通誘導員でしょうか。ドラマや映画でよく登場するのが、身辺警護に携わる「ボディガード」。ほかにも、イベントや施設など指定場所での巡回警備など、依頼主の「安…
「起業を扱った作品」の第三弾は、杉田望『無限大経営』(幻冬舎、2011年)。三回も裏切りに会い、倒産の危機に瀕するものの、再起を図り、飛躍を遂げてきた実業家・菱木貞夫。彼の半生を描いたドキュメンタリー小説です。モデルは、「染めQテクノロジィ」(…
「起業を扱った作品」の第二弾は、星渉『鈴木さんの成功。会社員から起業した時に待ち受ける「真実」の話をしよう。』(マネジメント社、2016年)。自動車販売営業マン歴7年の鈴木将吾。メンターとなる神田進次郎と出会い、彼に導かれて会社を興し、いろいろ…
帝国データバンクの「新設法人」調査によると、2023年に全国で新設された企業は、2024年4月時点で15万2860社(前年比7.9%増)。過去最多となっています。起業する人が増えている反面、廃業する人もまた、年々増加。起業10年後の生存率は約26%と言われてい…
いつも、「経済小説イチケンブログ」をご覧になっていただき、大変ありがとうございます。これまで、毎週火曜日と木曜日に、週2回のペースで新しい作品を紹介してきましたが、勝手ながら、この8月から毎週木曜日、正午に、週1回のペースで行うという形に変え…
「東京オリンピック1964を扱った作品」の第三弾は、伊多波碧『リスタート! あのオリンピックからはじまったわたしの一歩』(出版芸術社、2019年)です。専業主婦が当たり前で、会社などで働く女性は「職業婦人」と呼ばれていた時代。オリンピックをきっかけ…
「東京オリンピック1964を扱った作品」の第二弾は、奥田英朗『オリンピックの身代金』(上下巻、角川文庫、2008年)です。1964年10月、アジア初のオリンピックが東京で開催されました。それには、単に国際的なスポーツの祭典を日本で行うという以上の重みが…
2024年7月25日、角川文庫から楡周平さんの経済小説『ヘルメースの審判』が出版されました。収録された「解説」では、①巨大総合電機メーカーのニシハマ(モデルは東芝)が危機に陥った理由、②そこから脱却するために提示される「ビジネスモデル」などに言及し…
2024年7月26日開会式から8月11日閉会式の日程で開催されるパリオリンピック。その後、8月28日~9月8日にはパラリンピックが行われます。出場するアスリートたちやその関係者にとっては、待ちに待った瞬間が近づいています。前回の第32回大会は、2020年に東京…
「自動車メーカーを扱った作品」の第四弾は、保坂祐希『リコール』(ポプラ文庫、2020年)。AI(人工知能)が未来社会を大きく変えていくと予想されている昨今、自動車のあり方もまた大きく変わっていくことでしょう。「ステアリングもアクセルペダルもブレ…
「自動車メーカーを扱った作品」の第三弾は、森深紅『安全靴とワルツ』(角川春樹事務所、2011年)。舞台はグローバルに事業を展開するオリオン自動車。主人公は高専の機械科を卒業し、技能職として同社に入った坂本敦子30歳。工場から本社への異動で、「工…
「自動車メーカーを扱った作品」の第二弾は、清水一行『巨大企業』(角川文庫、1995年)日本におけるモータリゼーションの黎明期に当たる1965年頃、自動車業界の覇者をめざし、不二と千代田の二大メーカーは、激しい攻防を繰り返していました。二番手メーカ…
長きにわたって日本経済の屋台骨としての役割を果たしてきた自動車産業。いまでこそ、自動車は非常に身近な交通手段になっていますが、第二次大戦直後の時代にあっても、依然として外国から輸入した高額商品でした。いまで言うと、「超高級住宅・マンション…
「談合を扱った作品」の第二弾は、清岡久司『小説 談合 ゼネコン入札の舞台裏』(講談社文庫、1994年)。白鳳建設の「談合マン」である第五営業部長・立川が主人公。東京湾ウォーターフロントに建設予定の国立オペラハウス工事の入札指名をめぐり、建設族の…
国や地方自治体などが発注する公共事業。通常、業者の選定は「入札」によって行われます。しかし、その入札が実際にはきわめて形式的な「儀式」になっている場合があります。あらかじめ関係する業者間で「談合」が行われているからです。マスコミや世論の非…
「ブラック企業を扱った作品」の第三弾は、北川恵海『ちょっと今から仕事やめてくる』(メディアワークス文庫、2015年)。心身ともに疲れ果てていたにもかかわらず、「辞める」と言う勇気もない青山隆。線路に飛び込もうとしたところを「ヤマモト」という、…
「ブラック企業を扱った作品」の第二弾は、荒木源『大脱走』(小学館、2015年)。ブラック企業の実態、そこに就職したやる気のない「とんでもない新入社員・俵真之介」の行動、そんな後輩社員といかに接すればよいのかで悩んでしまう女性社員・片桐いずみの…