2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧
「リコールを扱った作品」の第二弾は、志摩峻『ザ・リコール』(ダイヤモンド社、2006年)です。たとえ欠陥があることがわかっていたとしても、リコール隠しを押し進めようとする自動車メーカーを軸に、大手損害保険会社、甘い汁を吸おうとする暴力団などの…
2021年6月24日付の『朝日新聞』文化欄。「日本経済の盛衰 小説が映す-作家・高杉良さん 自伝的作品を刊行」というタイトルの記事が掲載されています。それは、日本を代表する経済小説作家の一人である高杉良さんの自伝的作品である『破天荒』をはじめ、デビ…
リコール制度。設計・製造過程に問題があったとき、生産者が製品を回収して無料で修理することを意味します。その目的は、事実を公表し回収・修理をすることで、事故やトラブルを未然に防止することにあります。しかし、製品に問題があったということを明ら…
「労働基準監督官を扱った作品」の第二弾は、沢村凛『ディーセント・ワーク・ガーディアン』(双葉文庫、2014年)です。「労働基準関連法規に一点の違反もしていないと胸を張れる事業主は、めったにいない」という現実と格闘する労働基準監督官のリアルを描…
昨今、大きくクローズアップされている国家的課題の一つに「働き方改革」があります。厚生労働省の定義にしたがえば、それは「働く人びとが個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を自分で選択できるようにするための改革」とされています。背景にあるのは、…
「不要品を扱った作品」の第二弾は、原宏一『閉店屋五郎』(文藝春秋、2015年)です。倒産した会社や閉める店舗の備品(厨房機器、オフィス機器、家具、道具類など)を買い取って、自分の店「中古屋 五郎」で販売することを稼業としている五郎。閉店時の買い…
モノに満ち溢れた現代社会。どの家でも、もう使うことがないように思われる不要品が結構たくさん溜まっているのではないでしょうか。置いておくには、スペースが必要。できれば整理したい。片づけて、すっきりしたい。そのように思っておられる方は多いこと…
「安楽死を扱った作品」の第三弾は、長尾和宏『小説「安楽死特区」』(ブックマン社、2019年)。もし安楽死を認める「特区」を創ろうとすると、どのように準備が進められ、またどういった展開があり得るのか? それをフィクション化したのが本書です。 [おも…
「安楽死を扱った作品」の第二弾は、楡周平『終の盟約』(講談社、2013年)です。メインテーマは認知症と安楽死。認知症になった父の突然死のうらに隠された「真実」とは? それに迫ろうとする内科医の兄と弁護士の弟。たどり着いたのは、医師同士による、「…
安楽死。「人または動物に苦痛を与えることなく死に至らしめること」です。それは、致死性の薬物の服用か投与で死に至らしめる「積極的安楽死」と、救命などのための治療を行わない、もしくは中断することで死に至らしめる「消極的安楽死」に大別されます。…