作品紹介-6年目
「自動車メーカーを扱った作品」の第三弾は、森深紅『安全靴とワルツ』(角川春樹事務所、2011年)。舞台はグローバルに事業を展開するオリオン自動車。主人公は高専の機械科を卒業し、技能職として同社に入った坂本敦子30歳。工場から本社への異動で、「工…
「自動車メーカーを扱った作品」の第二弾は、清水一行『巨大企業』(角川文庫、1995年)日本におけるモータリゼーションの黎明期に当たる1965年頃、自動車業界の覇者をめざし、不二と千代田の二大メーカーは、激しい攻防を繰り返していました。二番手メーカ…
長きにわたって日本経済の屋台骨としての役割を果たしてきた自動車産業。いまでこそ、自動車は非常に身近な交通手段になっていますが、第二次大戦直後の時代にあっても、依然として外国から輸入した高額商品でした。いまで言うと、「超高級住宅・マンション…
「談合を扱った作品」の第二弾は、清岡久司『小説 談合 ゼネコン入札の舞台裏』(講談社文庫、1994年)。白鳳建設の「談合マン」である第五営業部長・立川が主人公。東京湾ウォーターフロントに建設予定の国立オペラハウス工事の入札指名をめぐり、建設族の…
国や地方自治体などが発注する公共事業。通常、業者の選定は「入札」によって行われます。しかし、その入札が実際にはきわめて形式的な「儀式」になっている場合があります。あらかじめ関係する業者間で「談合」が行われているからです。マスコミや世論の非…
「ブラック企業を扱った作品」の第三弾は、北川恵海『ちょっと今から仕事やめてくる』(メディアワークス文庫、2015年)。心身ともに疲れ果てていたにもかかわらず、「辞める」と言う勇気もない青山隆。線路に飛び込もうとしたところを「ヤマモト」という、…
「ブラック企業を扱った作品」の第二弾は、荒木源『大脱走』(小学館、2015年)。ブラック企業の実態、そこに就職したやる気のない「とんでもない新入社員・俵真之介」の行動、そんな後輩社員といかに接すればよいのかで悩んでしまう女性社員・片桐いずみの…
よく使われる言葉に、「ブラック企業」があります。それは、長時間労働、過剰なノルマ、残業代の不払い、パワハラ・セクハラの横行、従業員の使い捨てなどで特徴づけられる企業の総称です。そうした問題を抱えている企業であることがわかったら、「すぐに転…
「バブルの時代を扱った作品」の第五弾は、石川好『錬金』(新潮社、1998年)文無しの状態から、日本人の多くが「キャッシュ・ジャンキー(現金中毒患者)」になったバブルの時代、大富豪となり、バブルが終わると、再び文無しになったある男の物語。 [おも…
「バブルの時代を扱った作品」の第四弾は、北沢栄『バベルの階段』(総合法令、1994年)。不動産会社・証券会社とともに、バブルの主役を演じたのは「銀行」です。金融自由化、プラザ合意、円高、内需拡大、低金利、カネ余りと続いたのは1980年代。本書では…
「バブルの時代を扱った作品」の第三弾は、水沢溪『巨大証券の犯罪 第二部ウォーターフロント作戦』(健友館、1989年)。バブリーな株価上昇の契機となったのがNTT株の上場であったことは、しばしば指摘される通り。本書は、NDD株(NTT株がモデル)上場まで…
「バブルの時代を扱った作品」の第二弾は、森哲司『バブル・ゲーム調書』(新潮社、1992年)。バブルの絶頂期、土地の価格はうなぎのぼりに上昇。「土地ころがし」や「地上げ屋」という言葉が流行しました。日本で最初に地上げの実態を日刊紙に紹介したのは…
低成長や円安の話ばかりがまかり通っている昨今の日本経済。しかし、歴史を紐解けば、大幅な円高が進行し、好景気に多くの人が酔いしれた時代が確かにあったのです。それは、1986年12月~1991年4月の「バブル景気」(平成景気)の時期に当たります。土地も株…
「中年男性の再出発を扱った作品」の第三弾は、横山雄二『アナウンサー辞めます』(ハルキ文庫、2022年)。プロ野球選手になることを夢みていた高校球児の太田裕二。53歳になったいま、広島で地方局のアナウンサーとして活躍しています。それが、定年まであ…
「中年男性の再出発を扱った作品」の第二弾は、伊吹有喜『今はちょっと、ついてないだけ』(光文社文庫、2018年)。バブルの時代、「自然写真家(ネイチャリング・フォトグラファー)のタチバナ・コウキ」としてもてはやされた立花浩樹。ブームが終わると忘…
平均寿命が長くなったいま、40歳~50歳代は「中年」と呼ばれています。企業でいえば、幹部社員の多くを輩出する年齢層。と同時に、リストラの対象になりやすく、配置転換・左遷・転職・退職などを経験しがちな年齢層でもあります。それまでに培っていた技能…
「社長を扱った作品」の第四弾は、松村直幹『社長になれなかった男』(風雲舎、2009年)。食品トラブルがなぜ起こり、どのように推移したのか? 食品会社における危機管理や社長の役割の重要性が浮かび上がります。北海水産は、小林多喜二の『蟹工船』のモデ…
「社長を扱った作品」の第三弾は、タマヤ学校VIP4・第7班(田山敏雄監修)『社長の条件』(経済界、2006年)。行動力あり、バイタリティーあり、性格も明るく、人にも好かれる好人物の高畑博。若くして社長になった彼を待ち受けていたのは、「落とし穴」でし…
「社長を扱った作品」の第二弾は、安土敏『後継者』(ダイヤモンド社、2008年)。食品スーパー「フジシロ」の常務・藤代浩介は、能天気でゴルフ三昧の生活を送っていました。ところが、創業社長であり、父親でもある藤代浩二郎が急死。さらには、総合大型店…
社長とは、会社の業務執行の最高責任者で、会社を代表する権限を有する者。出資者として会社の所有権と経営権の同時に持っている場合は「オーナー社長」、雇われて社長になる場合は「サラリーマン社長」と呼ばれています。いずれも場合でも、経営手腕が会社…
「大災害を扱った作品」の第五弾は、鯨統一郎『富士山大噴火』(講談社文庫、2007年)。1707年の「宝永の大爆発」以来、300年以上爆発していない富士山。相当なエネルギーが蓄積されているので、もし噴火が起これば、未曾有の災害に見舞われることが危惧され…
「大災害を扱った作品」の第四弾は、柘植久慶『近未来ノベル 東京大地震2023』(PHP文庫、2012年)。東京湾直下型地震と房総沖プレート型地震が連動して起こり、東京湾に10メートルを超える大津波が発生します。想定外の事態が次から次へと起こるなかでの人…
「大災害を扱った作品」の第三弾は、高嶋哲夫『TSUNAMI 津波』(集英社文庫、2008年)。「世界中の地震の一割が集中するという日本」にあって、近い将来、高い確率で起こると言われている東海地震、東南海地震、南海地震。もしそれらの三つが連動して起きれ…
「大災害を扱った作品」の第二弾は、安生正『首都決壊 内閣府災害担当・文月祐美』(祥伝社文庫、2022年)。荒川上流を襲った記録的豪雨と東電の変電所を破壊した巨大な竜巻によって火ぶたを切った首都・東京の危機。しかし、防災対策の司令塔であるはずの官…
地球温暖化が進むなか、豪雨・竜巻・土砂崩れ・台風などで、大きな被害をこうむるケースが増加しています。地震や噴火などに伴う被害もまた、甚大なものに。大災害は、人々に恐怖をまき散らし、人的・物的な損害を与え続けています。自然そのものに原因があ…
「極秘組織を扱った作品」の第二弾は、渡辺裕之『911代理店』(ハルキ文庫、2020年)。「何でも屋」に近い謎の組織「911代理店」(社長は元警察官の岡村茂雄)。「仮釈放中の者を雇って社員にし、裏で悪事を働いている」という噂も。実際は、「困っている人…
経済小説・お仕事小説に登場する組織と言うと、多くの場合、企業・地方自治体・公的機関など、実在の組織が想定されています。が、「架空の組織」もしくは「公にはされていない極秘組織」といった、「謎めいた組織」が描かれるケースがないわけではありませ…
「起死回生のビジネスモデルを扱った作品」の第三弾は、楡周平『日本ゲートウェイ』(祥伝社、2023年)。危機に陥った「老舗百貨店」、沈滞した「地域」、コロナ禍で苦境にあえぐなか、アフターコロナに向けての「備え」と「突破口」の構築が不可欠になりつ…
「起死回生のビジネスモデルを扱った作品」の第二弾は、楡周平『サンセット・サンライズ』(講談社、2022年)。コロナ禍で一般化することとなった「テレワーク」。それが「過疎化・空き家問題・後継者不足」といった地方が抱える諸問題とつながったときに生…
危機に陥った企業・地域・日本を再生させるために必要な「起死回生のビジネスモデル」とは、どのようなものなのか? そうした問題意識を持ちながら、多くの経済小説を執筆されている作家の楡周平さん。物流会社の活性化を扱った『再生巨流』を皮切りに、多く…