経済小説イチケンブログ

経済小説案内人が切り開く経済小説の世界

作品紹介-3年目-88.官僚を扱った作品

『あしたの官僚』 - ブラック企業顔負けの労働現場のなかで

「官僚を扱った作品」の第二弾は、周木律『あしたの官僚』(新潮社、2021年)です。厚生労働省キャリア技官として働いている松瀬尊30歳の目線で、官僚という世界のオモテとウラが浮き彫りにされています。「俺……官僚になるよ。立派な官僚になって、日本のた…

『官僚たちの夏』 - 官僚たちの今・昔

「忖度」(そんたく)という言葉があります。相手の心、気持ち、立場を考えて行動することという意味です。それ自体、けっして悪い行動ではありません。が、官僚たちが政治家の気持ちや意向を察して便宜を図ったり、上位の立場にある人だけを特別扱いしたり…