経済小説イチケンブログ

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作品紹介-4年目-124.監査法人を扱った作品

『不正会計』 - 金融庁と監査法人のビミョウな関係

「監査法人を扱った作品」の第三弾は、杉田望『不正会計』(講談社文庫、2009年)。金融庁による業界再編という指導のもと、中央と青山が合併して設立された中央青山監査法人。その崩壊もまた、金融庁の「意向」と大きく関わっていたようです。同監査法人を…

『小説会計監査』 - 巨大監査法人崩壊の理由を小説の形で

「監査法人を扱った作品」の第二弾は、細野康弘『小説会計監査』(東洋経済新報社、2007年)。かつて四大監査法人の一角を占めていた中央青山監査法人は、2006年に金融庁より業務停止処分を受けました。著者の細野は、同監査法人に身を置いた公認会計士でし…

『監査法人』 - 「揺るぎのない姿」VS「揺らいでばかりの姿」

難関とされる国家資格の代表例のひとつに、公認会計士があります。会計士は、主に企業の「成績表」である財務諸表が適正に作成されているのかをチェックする役割(=監査業務)を担っています。それによって財務諸表の信頼性が保証され、銀行や投資家の融資…