経済小説イチケンブログ

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作品紹介-3年目-89.詐欺師を扱った作品

『小悪党』 - 詐欺を「騙される側」から見ると

「詐欺師を扱った作品」の第三弾は、山崎将志『小悪党』(日本経済新聞出版社、2014年)です。先に紹介した『地面師たち』と『トロイの木馬』は、いずれも詐欺という行為を「騙す詐欺師の視点」から見た作品でした。それに対して、この『子悪党』はいわば「…

『トロイの木馬』 - 知恵で国家を転覆させる! 詐欺師の矜持

「詐欺師を扱った作品」の第二弾は、江上剛『トロイの木馬』(朝日文庫、2020年)です。どうしようもない国家を転覆させたい。が、爆弾など使わない。知恵を働かせて、世の中を転覆させる。それこそが、本書に登場する詐欺師・クルス八十吉たちの矜持なので…

『地面師たち』 - 百億円の土地を騙し取る! 

人を騙して、お金や品物を取ったり、損害を与えたりする詐欺という行為には、さまざまな手口があります。ポピュラーなところでは、オレオレ詐欺、還付金詐欺、ワンクリック詐欺、フィッシング詐欺、結婚詐欺など。冷静に考えれば騙されたりしないように思わ…