経済小説イチケンブログ

経済小説案内人が切り開く経済小説の世界

作品紹介-1年目-24.定年を扱った作品

『極楽カンパニー』 - 定年でヒマを持て余していた男たちが始めた「開き直り」

「定年を扱った作品」の第五弾は、原宏一『極楽カンパニー』(集英社文庫、2009年)。会社べったりの生活に生きがいを感じてきた会社員にとって、定年とはいかなる意味を持つのでしょうか? ある意味、それは「生きがいの喪失」につながりかねません。この本…

『円満退社』 - 定年退職を迎える日に生じた人生最悪のピンチ

「定年を扱った作品」の第四弾は、江上剛『円満退社』(幻冬舎文庫、2007年)。円満に退社できれば、退職金をもらって、あとは自由な生活が待っている。そんな夢を描きながら、「最後の勤務日」を迎える銀行支店長。ところが、数々の不祥事が次から次へと起…

『ハッピー・リタイアメント』 - テキトーでOKという職場で真面目に働いた帰結が

「定年を扱った作品」の第三弾は、浅田次郎『ハッピー・リタイアメント』(幻冬舎、2009年)。定年を目前に控えた多くの人たちにとっての大きな関心事のひとつに、再就職先の確保という問題があります。本書の主人公は、地位も名誉も金もない55歳の二人の男…

『終わった人』 - 会社人生を全うしたとは感じていない男の「定年」とは? 

「定年を扱った作品」の第二弾は、内館牧子『終わった人』(講談社文庫、2018年)です。大手銀行で出世コースを歩むものの、子会社に出向・転籍され、達成感を得られぬまま定年退職を余儀なくされた男の葛藤が描写。舘ひろしさんと黒木瞳さんが出演し、2018…

『毎日が日曜日』 - これからは毎日が日曜日。さて、どうする? 

定年制度が一般化しているわが国。自営業を除けば、働いている人の大半が遅かれ早かれ定年を迎えます。それは「第二の人生」の始まり。労働者にとっては、「最大にして最後のドラマ」と言えるかもしれません。会社や組織のしがらみから解放されます。自由に…