経済小説イチケンブログ

経済小説案内人が切り開く経済小説の世界

作品紹介-5年目-171.はじめて物語

『道をたずねる』 - 日本に住宅地図を普及させる! 

「はじめて物語」の第三弾は、平岡陽明『道をたずねる』(小学館、2021年)。別府で、天沢永伍が興した地図会社「キョーリン」。設立7年目、社員は20名たらずで、零細企業の域を出ていない状態でした。が、創業社長には、「いつの日か、日本の全建物と全氏名…

『繭と絆』 - 「日本初の工女・尾高勇」の物語

「はじめて物語」の第二弾は、植松三十里『繭と絆 富岡製糸場ものがたり』(文春文庫、2019年)。富岡製糸場は、日本で最初に蒸気機関を使った大規模で、近代的な国営の製糸工場として知られています。フランス人のお雇い外国人を指導者に招いて建設されまし…

『「横浜」をつくった男』 - 高島嘉右衛門の波乱万丈

新しい年を迎えるとき、毎年、それまでにはなかった新しいことを見つけてみたいとか、なにかにチャレンジしてみたいとか、そんな気持ちにさせられます。ところが、同じような日常が繰り返されていく過程で、いつのまにか、そのような気持ちは徐々に萎えてい…