経済小説イチケンブログ

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作品紹介-2年目-50.働く女性を扱った作品

『ハタラクオトメ』 - 仕事の9割は虚しいが、残りの1割には喜びも

「働く女性を扱った作品」の第四弾は、桂望実『ハタラクオトメ』(幻冬舎、2011年)です。働く女性の目線で、男性優位の会社の内実を見ていくと、不条理に満ち溢れていることがよくわかります。しかし、たとえ仕事の9割は虚しいものだとしても、残りの1割に…

『闘う女』 - 強い人間になると、自分に言い聞かせながらの闘いと葛藤

「働く女性を扱った作品」の第三弾は、朝比奈あすか『闘う女』(実業之日本社文庫、2015年)。夢を抱いていても、その夢を成就する才能も運も持ち合わせていないごく「普通の人」。寂しくて、不安に満ちて、母に甘えたいという本心を覆い隠し、寂しくない、…

『ガール』 - ガールとの決別! 働く30代女性の微妙な心情

「働く女性を扱った作品」の第二弾は、奥田英朗『ガール』(講談社文庫、2009年)。まだ「若い女の子=ガール」で通用するのか、もはやそうではないのか? そんな微妙な悩みに直面するのが30歳代の女性たち。彼女たちが直面する職場でのトラブル、悩み、行動…

『女たちのジハード』 - 五人五色の人生ドラマ

総務省が2019年7月30日に発表した同年6月の労働力調査によると、女性の就業者は3003万人。比較可能な1953年以降、初めての3000万人越えとなりました。また、女性の生産年齢人口(15歳~64歳)の就業率は71.3%に達しています。しかし、働く女性の増加ととも…