経済小説イチケンブログ

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作品紹介-2年目-56.転職を扱った作品

『君たちに明日はない』 - 転職によって開花することになる力も

「転職を扱った作品」の第四弾は、垣根涼介『君たちに明日はない』(新潮文庫、2007年)。ここまでに紹介した三つの作品は、いずれも転職が本人の自発的な意思によって行われたケースでした。ところが、本人の意に反して、転職を余儀なくされるケースもない…

『引き抜き屋』 - 転職を演出する「仕掛け人」の世界とは? 

「転職を扱った作品」の第三弾は、雫井脩介『引き抜き屋(1)鹿子小穂の冒険 』(PHP研究所、2018年)。転職を支援することをビジネスにしているのがヘッドハンティング会社。そこで働くヘッドハンターたちの仕事ぶりは、これまであまり知られてはいない「未…

『株式会社ネバーラ北関東支社』 - 「想定外の出来事」から転職を決意

「転職を扱った作品」の第二弾は、滝羽麻子『株式会社ネバーラ北関東支社』(幻冬舎文庫、2011年)。30歳目前で「想定外の事実」にうろたえ、パニックになった弥生。転職を決意し、東京を離れ、北関東のある都市で働き始めるなかで、徐々に自分自身をとり戻…

『40 翼ふたたび』 - 転職によって初めて感じる「人生の醍醐味」

高度成長期(1955~73年)にあって、年功序列、企業別労働組合とともに、「日本的経営」の「三大特徴」のひとつとされたのが「終身雇用制度」。新入社員として入った会社で定年まで働くというその制度。完全になくなったわけではないものの、すでに大きく変…