経済小説イチケンブログ

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作品紹介-2年目-42.出光佐三・出光興産を扱った作品

『虚構の城』 - 大家族主義と専制主義は、同じメタルのオモテとウラ

「出光佐三・出光興産を扱った作品」の第三弾は、高杉良『虚構の城』(講談社文庫、1981年)。先に紹介した二つの作品は、出光興産の「人間尊重の大家族主義」的な経営理念を肯定的に捉えていました。他方、本書は、そこに秘められているネガティブな側面に…

『小説 出光佐三』 - 90歳を超えても経営の第一線で活躍した男の生き様

「出光佐三・出光興産を扱った作品」の第二弾は、木本正次『小説 出光佐三 燃える男の肖像』(復刻ドットコム、2015年)。90歳を超えても「店主」として、社長・会長の上に君臨し、経営の第一線で活躍し続けた出光佐三の生き方、業績、経営理念が小説風では…

『海賊とよばれた男』 - 石油メジャーと張り合った唯一の民族系石油会社

アメリカの原油先物価格(5月物)が暴落し、史上初めて「マイナス価格」を記録したのは、4月20日のこと。それは、新型コロナウイルスを封じる措置に伴うエネルギー需要の低迷など、いくつかの要因が重なったために引き起こされました。直後は、世界経済のさ…