経済小説イチケンブログ

経済小説案内人が切り開く経済小説の世界

作品紹介-4年目-113.戦後復興期を扱った作品

『メイド・イン・ジャパン』 - 粗悪品からの脱却に尽力する経営者の夢と挫折

「戦後復興期を扱った作品」の第三弾は、城山三郎の短編小説「メイド・イン・ジャパン」(『総会屋錦城』新潮文庫、1963年所収)。「私の夢は、メイド・イン・ジャパンと刻印した湿度計をアメリカに輸出すること!」 品質の改善に力の限りを尽くした湿度計メ…

『三等重役』 - 戦後派サラリーマン社長の心の揺れと不安

「戦後復興期を扱った作品」の第二弾は、源氏鶏太『三等重役』(新潮文庫、1961年)。1951年8月23日号から52年4月13日号の『サンデー毎日』に連載され、話題を呼んだサラリーマン・ユーモア小説。「三等重役」とは、公職追放によって、戦前からの経営者が多…

『小説GHQ』 - 戦後日本の始まりは、焼け野原の中での茫然自失から

1945年の終戦から高度成長が始まる1955年までの「戦後復興期」。日本ではまだ、戦災の爪痕が大きく残り、人々は物資・食糧の欠乏に苦しんでいました。焼け野原の中での茫然自失から始まった戦後日本の第一歩は、どのようなものだったのか? 歩むべき道など、…