経済小説イチケンブログ

経済小説案内人が切り開く経済小説の世界

作品紹介-5年目-141.家計を扱った作品

『派遣社員あすみの家計簿』 - 「お嬢さま」が経験する金欠・節約生活のリアル

「家計を扱った作品」の第二弾は、青木祐子『派遣社員あすみの家計簿』(小学館文庫、2019年)です。彼氏に騙され、「寿退社」してしまった28歳の藤本あすみ。ノー天気なところがある「お嬢さま」。どのようにして、生計を立てていくのでしょうか? 節約生活…

『三千円の使いかた』 - 御厨家女性四人の金銭感覚と「生活防衛」

企業や政府とともに、経済活動(収入・支出・投資・貯蓄)の主体として大きな役割を果たしているのは、家計です。経済小説の素材として非常に頻繁に扱われる企業とは対照的に、家計を扱った作品は、極めて少ないと言わざるを得ません。物価が高騰し、依然と…