経済小説イチケンブログ

経済小説案内人が切り開く経済小説の世界

作品紹介-2年目-43.老人介護を扱った作品

『ひと喰い介護』 - 法に触れることなく、喰いものにする! 

「老人介護を扱った作品」の第四弾は、安田依央『ひと喰い介護』(集英社、2019年)。法律に触れることなく、介護を喰いものにする悪徳介護施設の実態、その罠にはまった老人たちが転落していく様子が描かれています。 [おもしろさ] 高級ホテル並みのサービ…

『ロスト・ケア』 - 重度の要介護者43人を殺すことで……

「老人介護を扱った作品」の第三弾は、葉真中顕『ロスト・ケア』(光文社、2013年)。重度の要介護者を狙い撃ちする連続殺人を軸にして、介護者と要介護者の関係・心情をホンネで考えた作品です。介護の世界に身を置けば、死が救いになるということが間違い…

『病院でちゃんとやってよ』 - 円滑な介護のための準備をリハビリ病棟で

「老人介護を扱った作品」の第二弾は、小原周子『病院でちゃんとやってよ』(双葉文庫、2020年)。にわかにふりかかった介護問題に動揺する家族たちの素顔を、リハビリを支援する看護師の視点から描いています。現役の看護師が描く「介護小説」であり、おも…

『介護退職』 - 介護か、退職か? さて、どうするのか? 

日本社会が抱える大問題のひとつに、人口の老齢化があります。総務省統計局によれば、2019年9月15日現在の総人口に占める65歳以上の高齢者の比率は28.4%。対前年(28.1%)比で0.3ポイント上昇し、過去最高となりました。その数値は、今後もさらに高まるこ…