経済小説イチケンブログ

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作品紹介-5年目-144.住むところを扱った作品

『建築士・音無薫子の設計ノート』 - リフォームではなく、リノベーションを

「住むところを扱った作品」の第四弾は、逢上央士『建築士・音無薫子の設計ノート-あなたの人生、リノベーションします。』(宝島社文庫、2017年)。建築上のさまざまな悩みや問題への解決策を求め、音無建築事務所を訪れるクライアント。彼らの要望のウラ…

『そのマンション、終の住処でいいですか?』 - 中古マンションの建て替え問題

「住むところを扱った作品」の第三弾は、原田ひ香『そのマンション、終の住処でいいですか?』(新潮文庫、2022年)。有名な建築家・小宮山悟朗によって設計され、大きな話題を呼んだ「赤坂ニューテラスメタボマンション」。しかし、いまではとんでもない欠…

『ニュータウンクロニカル』 - 若葉ニュータウン50年史

「住むところを扱った作品」の第二弾は、中澤日菜子『ニュータウンクロニカル』(光文社文庫、2020年)。多摩ニュータウンを連想させる若葉ニュータウン。1971年から2021年までの半世紀に、巨大団地が歩んだ年代記。10年ごとの姿を描いた6つの短編から構成さ…

『くうねるところすむところ』 - 「小さな工務店」の「大きな物語」

家という商品は、食べ物や服や靴とは大きく異なります。自分のものにしようと思えば、普通は20年、30年という長期ローンを組まなければならないほど、お金がかかります。その結果、働いて稼ぐお金のうち、かなりの部分がローンに吸い上げられることになりま…