経済小説イチケンブログ

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作品紹介-5年目-139.農業を扱った作品

『女神のサラダ』 - 人生いろいろ、農家もいろいろ

「農業を扱った作品」の第三弾は、瀧羽麻子『女神のサラダ』(光文社、2020年)です。全国各地の多様な農家が舞台。さまざまな悩みを抱えることで「迷子になった女性たち」が、農業との関わりのなかで、生への指針と希望を見出していきます。八つの短編小説…

『農業男子とマドモアゼル』 - 30歳から始まった都会育ち女性の「農業ライフ」

「農業を扱った作品」の第二弾は、甘沢林檎『農業男子とマドモアゼル』(富士見L文庫、2017年)です。農業についての知識は皆無、関心さえなかった都会育ちの女性が、長野県の田舎で農業に携わることに。恋心を抱くようになる、実直で面倒見の良い地元の青年…

『おいしい野菜が食べたい!』 - 慣行農法 VS 有機栽培

広い耕地を大型の農業機械で耕作する欧米型の大農法。他方、日本農業を特徴づけてきたのは、狭い耕地に比較的多くの労働力と化学肥料を使う集約農業でした。しかし、既存の農業・農村はいまや、さまざまな点で曲がり角に立たされています。農業人口の激減だ…