経済小説イチケンブログ

経済小説案内人が切り開く経済小説の世界

作品紹介-3年目-95.書店を扱った作品

『会社を潰すな!』 - 実際に書店を再建させた人物が描いた再生劇とは? 

「書店を扱った作品」の第三弾は、小島俊一『会社を潰すな!』(PHP文庫、2019年)。金沢市を中心に6店舗を展開するものの、倒産の危機に直面している本屋「クイーンズブックス」に出向を命じられた銀行マンがその再生のために奮闘します。著者の小島は、実…

『金曜日の本屋さん』 - 「読みたい本が見つかる本屋」とは? 

「書店を扱った作品」の第二弾は、名取佐和子『金曜日の本屋さん』(ハルキ文庫、2016年)です。北関東の小さな駅の中にあり、喫茶コーナーと巨大な地下倉庫を有している書店「金曜堂」。そこを舞台に、底抜けに明るい店長の南槇乃、ド派手な服装と態度のオ…

『配達あかずきん』 - 本、書店、書店員、書店経営を考える

「出版不況」「ネット書店や電子書籍の台頭」「改善しない書店の閉店数」「本屋のない地方自治体の増加」といった言葉に示されるように、書店を取り巻く環境は、非常に厳しいと言わざるをえません。「もっぱら本という商品だけを、総花的に陳列・販売すると…