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『グリーン・グリーン』 - 都会育ちの農業オンチが農林高校の教師に! 

「高校教師を扱った作品」の第二弾は、あさのあつこ『グリーン・グリーン』(徳間文庫、2017年)。県立喜多川農林高校の教師になった翠川真緑(みどりかわ みどり)。「グリーン・グリーン」は彼女のあだ名です。都会育ちで、農業オンチのグリーン・グリーンが、「未知の世界」である地方の農林高校を舞台に、戸惑いながらも教師として成長していきます。農林高校が抱える問題、生徒たちの悩み、教師たちの指導ぶりなど、多くのことを気づかされる作品に仕上げられています。

 

[おもしろさ] 生徒たちの心に届け! 

「生徒たちからは、ほとんど反応がない。返事もなければ、歓声も不平や不満の声も上がらなかった。とても、淡々としている」。真緑の授業に対する生徒たちの受け止め方は、端的に表現すれば、「おとなしい」「静か」というもの。もちろん、授業に引き込まれての静けさではありません。「どう向かい合えばいいのかまだ見当の緒も見えない」真緑。あるとき、生徒たちが楽しみにしている、園芸指導の朝日山先生の生徒に対する接し方を見て、彼女は大いに発奮。胸が高まり、「とことん背中を叩かれ励まされている」と感じたのです。朝日山は、大切なことを「生真面目に、重々しく語るのではなく、ユーモアを交えた軽妙な口調で」話すことに長けていたのです。「みんな、農業ってのはこれからの産業なんやぞ。伸び悩みとか、頭打ちとか、衰退とか、マイナスイメージばっかりがまき散らされとる。それも、農業の何たるかを知らんやつらが勝手にまき散らしとるわけや。けどな、違うぞ。農業の可能性っちゅうのは、でかいんや」。それまでも、真緑は良い授業をするために必死にやってきました。準備も怠ってはいません。しかし一本調子。「張り詰めるばかりで、息つぎの間がなかったことを痛感させられたのです。そして初めて、心で感じたホンネを晒すようになった真緑。彼女のなかで大きな変化が生じ始めたのです。本書のおもしろさは、真緑がどのように変わっていくのかを、物語の進展とともに見守り、実感していける点にあります。

 

[あらすじ] 豚と会話ができるという不思議な「能力」

中・高一貫の私立進学校から、東京の真ん中にある私立の名門大学に進んだ翠川真緑。もう十ヶ月以上経っているのですが、恋人の飯倉芳人から別れの言葉をかけられ、大きなショックを受けました。が、食べたおにぎりのおいしさに感激。そのお米の産地が兎鍋村であることを知った彼女は、隣接する喜多川町にある県立喜多川農林高校の教師になることを決意。同校には、畜産科、園芸・栽培科、林業科、食品化学科という四つの学科が設置されています。受け持ちの一年二組、園芸・栽培科の生徒は25名(女子15名、男子10名)。さっそく、「グリーン・グリーン」というあだ名が付けられることに。「痩せっぽちで、ひょろりと背が高く、そばかすがあって眼鏡をかけている。どう見ても“押し”とも“迫力とも縁遠い」真緑。学年主任の豊福有希子先生からは、「押しがきかないんやから、態度だけでも堂々としとらんと。端から生徒に舐められたら、1年間、苦労せなあかんよ」と諭されます。戸惑い続きの毎日を送っていたある日、真緑は、廊下を横切る豚と会話ができるという不思議な「能力」に気づきます。そして、農業と立ち向かう生徒たちと一緒になって笑って泣いて、ともに成長していきます。

 

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