作品紹介-2年目
旅。それは、非日常の世界に触れることで日常生活にも楽しみを作り出し、メリハリをつけてくれます。そうした人々のエンタテインメントを演出し、サポートしてくれるサービス業のひとつにホテルがあります。今回は、顧客の視点というよりは、サービスを提供…
「映画大好き人間を扱った作品」の第三弾は、原田マハ『キネマの神様』(文春文庫、2011年)。老舗の映画雑誌が運営する「キネマの神様」というタイトルのブログを舞台に繰り広げられる、「映画大好き人間」の父と娘、同社のスタッフたちによる心温かる物語…
「映画大好き人間を扱った作品」の第二弾は、相場英雄『クランクイン』(双葉社、2016年)。ベストセラーとなった作品を映画にする。しかも1年間で! 広告代理店に勤める主人公の「映画大好き人間」。ところが、製作については、まったくの門外漢。それでも…
映画。わたしたちにたくさん感動を与えてくれる、エンターテインメントの王様とも言いえる存在です。「あの映画がおもしろかった」「この映画を見てみたい」。多くの人が興味を覚えるのは、「作品としての映画」。ただ、経済小説という視点から見ていくと、…
「老人介護を扱った作品」の第四弾は、安田依央『ひと喰い介護』(集英社、2019年)。法律に触れることなく、介護を喰いものにする悪徳介護施設の実態、その罠にはまった老人たちが転落していく様子が描かれています。 [おもしろさ] 高級ホテル並みのサービ…
「老人介護を扱った作品」の第三弾は、葉真中顕『ロスト・ケア』(光文社、2013年)。重度の要介護者を狙い撃ちする連続殺人を軸にして、介護者と要介護者の関係・心情をホンネで考えた作品です。介護の世界に身を置けば、死が救いになるということが間違い…
「老人介護を扱った作品」の第二弾は、小原周子『病院でちゃんとやってよ』(双葉文庫、2020年)。にわかにふりかかった介護問題に動揺する家族たちの素顔を、リハビリを支援する看護師の視点から描いています。現役の看護師が描く「介護小説」であり、おも…
日本社会が抱える大問題のひとつに、人口の老齢化があります。総務省統計局によれば、2019年9月15日現在の総人口に占める65歳以上の高齢者の比率は28.4%。対前年(28.1%)比で0.3ポイント上昇し、過去最高となりました。その数値は、今後もさらに高まるこ…
「出光佐三・出光興産を扱った作品」の第三弾は、高杉良『虚構の城』(講談社文庫、1981年)。先に紹介した二つの作品は、出光興産の「人間尊重の大家族主義」的な経営理念を肯定的に捉えていました。他方、本書は、そこに秘められているネガティブな側面に…
「出光佐三・出光興産を扱った作品」の第二弾は、木本正次『小説 出光佐三 燃える男の肖像』(復刻ドットコム、2015年)。90歳を超えても「店主」として、社長・会長の上に君臨し、経営の第一線で活躍し続けた出光佐三の生き方、業績、経営理念が小説風では…
アメリカの原油先物価格(5月物)が暴落し、史上初めて「マイナス価格」を記録したのは、4月20日のこと。それは、新型コロナウイルスを封じる措置に伴うエネルギー需要の低迷など、いくつかの要因が重なったために引き起こされました。直後は、世界経済のさ…
「パンデミックを扱った作品」の第二弾は、岡田晴恵『隠されたパンデミック』(幻冬舎文庫、2009年)です。鳥に由来し、重症の全身性疾患を引き起こす強毒性のH5N1型ウイルスとは異なり、豚に由来し、主に呼吸器感染を引き起こす弱毒性のH1N1型ウイルスによ…
依然として、新型コロナウイルスに悩まされる日が続いています。コロナウイルスは、ヒトを含む哺乳類や鳥類などに広く存在。2002年に中国広東省で発生したSARS、2012年に中東地域を中心に発生したMERSも、コロナウイルスの一種です。新型コロナウイルス感染…
「飲食店を扱った作品」の第三弾は、木村康宏『ラーメン屋の看板娘が経営コンサルタントと手を組んだら』(幻冬舎、2011年)。つぶれかけたラーメン屋が経営のプロのアドバイスによってよみがえる話。ラーメン屋をほかの業態に置き換えてみると、より広く飲…
「飲食店を扱った作品」の第二弾は、原宏一『握る男』(角川文庫、2015年)。悪知恵と謀略により、鮨屋の下働きから始まって「外食産業の帝王」に成り上がっていく男の物語。「握る」という言葉には、「鮨を握る」「キンタマを握る」「人心を掌握する」とい…
食生活には、①飲食店などで食べる「外食」、②家で素材から調理したものを食べる「内食」、③調理・加工済みの食品、惣菜、弁当などを家庭・職場・学校・屋外などに持ち帰って食べる「中食」の三種類があります。新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣…
「記者を扱った作品」の第四弾は、柚木麻子『BUTTER バター』(新潮社、2017年)。2007~09年にかけて起こった首都圏連続不審死事件。愛人業を生業としていた梶井真奈子(1980年生まれ。木嶋佳苗がモデル)が出会い系や婚活サイトを介して知り合った男性たち…
「記者を扱った作品」の第三弾は、大崎梢『スクープのたまご』(文藝春秋、2016年)。大手出版社の千石社に入社して2年目の信田日向子。発行部数60万部という日本を代表するトップクラスの週刊誌『週刊千石』編集部に異動となり、記者として活動する彼女の苦…
「記者を扱った作品」の第二弾は、横山秀夫『クライマーズ・ハイ』(文春文庫、2006年)。群馬県の架空の地方新聞社「北関東新聞」が舞台。1985年の日航ジャンボ機墜落事故の際、全権デスクに任命された悠木和雅の格闘を描いています。未曾有の大事故の報道…
新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言を受けて、「ステイ・ホーム」を実践中です。気になるのは、テレビ、新聞、ネットなどから伝えられる最新情報。それぞれの媒体には、それぞれの固有の良さがあります。なかでも、少し時間をかけてチェックす…
「総理大臣を扱った作品」の第四弾は、原田マハ『総理の夫』(実業之日本社、2013年)。日本初の女性総理に就任した42歳の相馬凛子を夫の目線から描いた作品です。度胸と、茶目っ気と素早いレスポンスの三拍子そろった総理大臣を演じられたのは、やはり夫の…
「総理大臣を扱った作品」の第三弾は、幸田真音『スケープゴート』(中央公論新社、2014年)。大学教授から政治家に転身した三崎晧子が「日本初の女性総理」になるまでの過程と、大臣・総理大臣というお仕事の実態がズバリと浮き彫りにされています。2015年…
「総理大臣を扱った作品」の第二弾は、池井戸潤『民王』(ポプラ社、2010年)。心と体が入れ替わった総理大臣と、シュウカツ中である大学生の「バカ息子」。試行錯誤を繰り返しながらも、二人三脚で、いつしか国会と国民に新風を巻き起こすという、奇想天外…
日本で最も名前が知られ、多忙をきわめる人物と言えば、やはり総理大臣ではないでしょうか。実際のところ、ほぼ連日、発言内容はもちろんのこと、その一挙手一投足に至るまで、メディアや国民の目線にさらされることになります。なにか事を起こそうとすると…
「企業のリスク対応力を扱った作品」の第三弾は、中根敏勝『小説 企業内弁護士』(法学書院、2011年)。企業・団体が弁護士と契約し、事あるときに相談に乗ってもらうという「顧問弁護士」とは異なって、ある特定の企業・団体だけのために弁護士業務を行う「…
「企業のリスク対応力を扱った作品」の第二弾は、田中優介、田中辰巳『スキャンダル除染請負人 疑似体験ノベル危機管理』(プレジデント社、2018年)。企業・組織でトラブルや不祥事が起こったとき、当事者の多くは、隠したり、逃げたり、取材を拒否したりし…
いま新型コロナウィルスの感染によって、日本も世界も大きな試練・リスクに直面しています。行政レベルでは、感染拡大の阻止、検査・医療体制の充実、不況対策、生活に対する悪影響の軽減策などが論議・実施されています。企業レベルでは、業績の低迷に対す…
「コンビニを扱った作品」の第三弾は、村田沙耶香『コンビニ人間』(文藝春秋、2016年)。コンビニでアルバイトを18年間行っている36歳の未婚女性・古倉恵子が主人公。決して「普通」とは見なされてこなかった彼女も、コンビニの店員として働いているときだ…
「コンビニを扱った作品」の第二弾は、峰月皓『俺のコンビニ』(メディアワークス文庫、2010年)。郷里でコンビニの立ち上げに奔走する青年の成長物語。コンビニの店長として、何事にもへこたれず、前向きに進んでいく様子がさわやかに描かれています。続編…
買い物をするところで、最も身近なお店はどこか? そう聞かれると、多くの場合「コンビニ」という答えが返ってくることでしょう。コンビニが日本に登場したのは、1970年代初めのこと。その後、大きく成長していきます。急成長の過程で構築されたビジネスモデ…