2022-01-01から1年間の記事一覧
「イタリアン・レストランを扱った作品」の第三弾は、佐藤義典『新人OL、つぶれかけの会社をまかされる』青春出版社、2010年)です。危機に陥ったレストランの再生を図るための方策・考え方とは、いかなるものなのか? 店づくりのコンセプトをどのように確立…
「イタリアン・レストランを扱った作品」の第二弾は、上田早夕里『トラットリア・ラファーノ』(ハルキ文庫、2017年)です。神戸・元町にある「トラットリア・ラファーノ」が舞台。お店の運営、料理の開発・勉強、店の雰囲気づくり、店内で流す曲の選定など…
わが国で西洋を代表する料理として定着しているフレンチとイタリアン。ソースが「命」と言われるように、複雑に調理された凝った料理が多いフレンチとは異なって、あまり手を加えず、素材の持ち味を活かした調理法が基本のイタリアン。素材を活かすという点…
「団塊の世代を扱った作品」の第三弾は、堺屋太一『団塊の後 三度目の日本』(毎日新聞出版、2017年)。「団塊の後」、すなわち「団塊の世代を父に持つ世代」に属する人たちの動きに焦点が当てられています。2026年の日本が抱えている数々の難題、それをもた…
「団塊の世代を扱った作品」の第二弾は、堺屋太一『団塊の秋』(祥伝社、2013年)です。1947年から49年にかけて生を受けた「団塊の世代」がいかなる人生をたどったのか、そして2015~28年にはどのように人生を歩んでいくことになるのか? 想定外の事態に直面…
「団塊の世代」とは、1947年から49年にかけての戦後ベビーブームの時代に生まれた世代を指しています。その用語を生み出したのは、通産省の官僚であった堺屋太一が書いた小説『団塊の世代』(1976年)です。なにしろ、3年間の合計出生者がおよそ800万人とい…
「地域金融機関を扱った作品」の第三弾は、菅井敏之、お金総合研究所『読むだけでお金の増やし方が身につく 京都かけだし信金マンの事件簿』(アスコム、2017年)です。地域密着型の金融機関の代表格でもある信用金庫が舞台。京都ならではの商慣習に戸惑いつ…
「地域金融機関を扱った作品」の第二弾は、中村仁『小説 火ノ国銀行 第2弾 パニックバンク』(兼六館出版、2011年)です。九州中央部を地盤とする「火ノ国銀行」を舞台に、独裁者として君臨し、「負の連鎖」を引き起こすことになる男の「悲しい性」が浮き彫…
2022年3月8日~3月22日の本ブログにおいて、全国展開からさらにはグローバルな規模での事業展開を行っているメガバンクの今日的状況を探るべく、五つの作品を紹介しました。そして、「健全な経済活動の潤滑油となる資金を供給し、企業を支え、取引先とともに…
「吉本興業を扱った作品」の第二弾は、難波利三『小説 吉本興業』(文春文庫、1991年。のちに『笑いで天下を取った男 吉本王国のドン』ちくま文庫、2017年と改題)です。吉本興業の歴史に彩を添えた人物として挙げられる「創業者・吉本せい」と「発展の主導…
2022年4月に創業110年を迎えた吉本興業ホールディングス。1960年代の演芸ブーム、80年代の漫才ブーム、90年代におけるダウンタウンの大活躍と、テレビとのタッグを通して全国区に押し上げられ、いまでは「一大お笑い企業」になっています。3月には「BSよりも…
「鉄鋼業を扱った作品」の第三弾は、阿川大樹『幸福な会社』(徳間文庫、2011年)です。かつて「鉄は国家なり」「鉄は産業の米」と言われ、日本の経済発展を支えた鉄鋼業。ところが、リーマンショック後の不況下で、業績の低迷にあえいでいます。苦境に陥っ…
「鉄鋼業を扱った作品」の第二弾は、小野正之『鉄人伝説 小説新日鐵住金』(幻冬舎ルネッサンス、2013年)です。戦後の高度成長を支え、産業界を牽引した鉄鋼業の中心的存在であったのは、八幡製鉄と富士製鉄の合併によって世界一となった新日鐵でした。その…
工業国において最も基幹的な産業としての地位を保ち続けている鉄鋼業。日本では、2019年の粗鋼生産量で世界第3位にランクされている日本製鉄を筆頭に、第11位のJFEスチール(元川崎製鉄)や第55位の神戸製鋼所といった大企業が存在しています。いまでこそ、…
「働く女性を扱った作品」の第五弾は、出版社の校閲部に勤務する女性社員を扱った宮木あや子『校閲ガール』(KADOKAWA、2014年)。憧れていたポジションとは異なり、まったくオシャレとは言い難い不本意な部署で働くことになった女子社員の労苦と嘆きが描か…
「働く女性を扱った作品」の第四弾は、翻訳者の喜びと苦労を綴った千梨らく『翻訳ガール』(宝島社文庫、2014年)です。「原書から受けるイメージが、ほとんどそのまま残されている」。そうした翻訳が実現されるには、その内容をとことん理解したうえ、日本…
「働く女性を扱った作品」の第三弾は、清掃会社で働く女性を描いた加藤実秋『モップガール』(小学館文庫、2009年)です。事件・事故現場の後始末という「特殊清掃」を請け負っている清掃会社の清掃員。一般的な清掃会社とはまた異なり、驚きや苦労が絶えま…
「働く女性を扱った作品」の第二弾は、バイク便運営会社の配達員を描いた美奈川護『特急便ガール!』(メディアワークス文庫、2011年)です。バイク便運営会社で働くことになった女性配達員・吉原陶子。突然、常識人の理解の範疇を越える「瞬間移動」という…
令和元年における女性の労働力人口は3058万人。男性の3828万人と比べると、少ないものの、労働力人口に占める女性の割合は44.4%に達しています。いまでは、女性がいない職場自体、非常に少なくなっていると言っても過言ではありません。それゆえ、働く女性…
「職探しを扱った作品」の第三弾は、就職三年目に勤務先である大手広告代理店からの退職を余儀なくされた女性・未谷千晴の転職とその後の活躍を描いた額賀澪『転職の魔王様』(PHP研究所、2021年)。学生であれ、社会人であれ、就職活動をする者にとって最も…
「職探しを扱った作品」の第二弾は、女子大生の就活を描いた三浦しをん『格闘する者に○(まる)』(新潮文庫、2005年)です。「誰にも何も干渉されず、好きなことを好きなだけ自分のペースでやる」。そのような気持ちで大学生活を送っている「マイペース人間…
大学で教鞭をとっていた頃、数多くの学生たちと話をしました。彼らの一番の悩み事といえば、やはり就職活動と関係するものでした。確かに、何千何万もの職業のなかから自分の道を選ぶのは、けっして簡単なことではありません。学生たちの多くは、「選ぶこと…
「メガバンクを扱った作品」の第五弾は、江上剛『Disruptorディスラプター 金融の破壊者』(光文社、2021年)です。ディスラプターとは、破壊者のこと。ただ、「単なる破壊者」である「デストロイヤー」とは異なり、「新しい状況や秩序」を生み出す破壊者の…
「メガバンクを扱った作品」の第四弾は、波多野聖『メガバンク絶滅戦争』(新潮社、2015年。文庫化改題『メガバンク最終決戦』2016年2月)です。売国奴の陰謀によって危機に陥ったメガバンクを救うために、同行の「辣腕ディーラー」である桂光義専務と「気配…
「メガバンクを扱った作品」の第三弾は、高杉良『銀行大統合』(講談社、2001年。その後、『銀行大統合 小説みずほFG』に改題)です。メガバンク創設を軸とした金融業界の大再編の引き金となった「みずほフィナンシャルグループ」誕生までのプロセスを実名で…
「メガバンクを扱った作品」の第二弾は、江波戸哲夫『ジャパン・プライド』(講談社、2009年)です。日本経済の最前線で働く人々、とりわけリーマン・ショックと立ち向かったバンカーたちの姿をリアルに描いた作品。舞台はメガバンクの東西銀行。登場人物が…
経済小説の対象としてしばしば取り上げられてきた業種のひとつに、銀行があります。その理由は、銀行が経済活動の潤滑油として機能する「お金」を個人・企業・自治体・国などに送り込むというきわめて重要な役割を果たしてきたからであると言っても過言では…
「闇ビジネスを扱った作品」の第四弾は、「捌き屋(さばきや)」と称される企業コンサルタントを素材にした浜田文人『捌き屋 盟友』(幻冬舎文庫、2018年)。表には出ない企業間のやっかいなトラブルを秘密裏に解決する稼業があります。「企業交渉人」とか「…
「闇ビジネスを扱った作品」の第三弾は、産廃ビジネスを素材にした黒川博行『疫病神』(新潮文庫、1997年)です。大阪が舞台。産廃ビジネス・産廃業界の実態と「ややこしさ」がよく描かれています。「毒は毒をもって制す」、つまりヤクザを使ってヤクザを抑…
「闇ビジネスを扱った作品」の第二弾は、「半グレ集団」を素材にした新野剛志『ヘブン』(幻冬舎、2018年)です。東京を牛耳ろうと、後ろ盾となっていた暴力団に歯向かい、失敗した「半グレ集団」。そのナンバー2の男が、主に覚醒剤ビジネスでの覇権をめざ…