2021-01-01から1年間の記事一覧
モノに満ち溢れた現代社会。どの家でも、もう使うことがないように思われる不要品が結構たくさん溜まっているのではないでしょうか。置いておくには、スペースが必要。できれば整理したい。片づけて、すっきりしたい。そのように思っておられる方は多いこと…
「安楽死を扱った作品」の第三弾は、長尾和宏『小説「安楽死特区」』(ブックマン社、2019年)。もし安楽死を認める「特区」を創ろうとすると、どのように準備が進められ、またどういった展開があり得るのか? それをフィクション化したのが本書です。 [おも…
「安楽死を扱った作品」の第二弾は、楡周平『終の盟約』(講談社、2013年)です。メインテーマは認知症と安楽死。認知症になった父の突然死のうらに隠された「真実」とは? それに迫ろうとする内科医の兄と弁護士の弟。たどり着いたのは、医師同士による、「…
安楽死。「人または動物に苦痛を与えることなく死に至らしめること」です。それは、致死性の薬物の服用か投与で死に至らしめる「積極的安楽死」と、救命などのための治療を行わない、もしくは中断することで死に至らしめる「消極的安楽死」に大別されます。…
「芸人を扱った作品」の第三弾は、田中イデア『ハケン芸人~伝説のコンサルタント芸人・ポックリ小林の教え~』(扶桑社、2011年)。「お笑い芸人」に対して、おもしろさよりも楽しさや癒しを求める「アイドル芸人ブーム」が巻き起こるなか、22歳のポックリ…
「芸人を扱った作品」の第二弾は、畑野智美『南部芸能事務所』(講談社、2013年)です。「弱小お笑いプロダクション」の実情、そこに所属している芸人たち間での交流、彼らの心の動き、売れない芸人の下積み生活の実態、芸人が大好きで、追っかけをやってい…
テレビ番組や舞台で視聴者や観客を楽しませてくれる芸人たち。具体的には、コメディアン、落語家、漫才師、コント俳優、マジシャンなどを挙げることができます。人々に「お笑い」を提供するというのは、イメージ的には「楽しそうなお仕事」。でも、一人前の…
「非正規労働者を扱った作品」の第三弾は、徳永圭『その名もエスペランサ』(新潮社、2014年)。「自分は派遣という形が性に合っている」と考えているヒロインの派遣社員・本郷苑子の心の葛藤や仕事に対する姿勢が浮き彫りにされています。 [おもしろさ] 派…
「非正規労働者を扱った作品」の第二弾は、北沢栄『小説・非正規 外されたはしご』(産学社、2016年)です。大手外食チェーン、世界的な自動車メーカー、年金機構、学校、メガバンクなどにおける非正規労働者のリアルが描写。低賃金・使い捨てという過酷な労…
総務省の「労働力調査」によると、2018年における非正規雇用者数は2165万人。比率は38.3%になっています。非正規雇用には、嘱託社員、期間従事者、パートタイム労働者、派遣労働者、請負労働者などが含まれます。彼らの大半は、自らの意志や希望に合う形で…
「スーパーを扱った作品」の第三弾は、桂望実『県庁の星』(小学館、2005年)。役人根性全開の県庁のエリート職員・野村聡が、研修先である田舎のスーパーの構造改革を図っていくことに。2006年2月に公開された映画『県庁の星』(出演者は織田裕二さんと柴咲…
「スーパーを扱った作品」の第二弾は、楡周平『砂の王宮』(集英社、2015年)です。戦後の闇市のなかから度胸とカンで生き抜き、薬屋からやがてスーパーマーケットの「誠実屋」を創業し、日本有数の「流通王」として君臨することになる塙太吉の生涯が描かれ…
食料品をはじめ、生活に必要なさまざまな品物をワンストップで、しかも手ごろな価格で買い求めることができる小売店と言えば、多くの人はスーパーマーケットを思い浮かべるのではないでしょうか? アメリカでは、1930年頃に早くも出現しているのですが、日本…
「ゼネコンを扱った作品」の第二弾は、荒木源『残業禁止』(角川文庫、2019年)です。ひとつの工事現場で、完成に至るまでの一連の業務がどのように進んでいくのか? その際、いかなる課題をクリアしていかなければならないのか? ゼネコンの現場監督を軸に…
マンションやビルをはじめ、ショッピングモール、テーマパーク、さらにはダムや高速道路などに至るまで、多くの大規模な建設・土木工事を担うのは、ゼネコン(ゼネラル・コントラクター)と呼ばれる総合建設業者。注文者から工事を請け負い、複数の下請け事…
「電機産業を扱った作品」の第五弾は、楡周平『異端の大義』(上下巻、毎日新聞社、2006年)。巨大な総合家電メーカーの危機と再生を描いた物語。東洋電器産業に勤務する高見龍平は、エリート社員でありながらも、上司への直言で恨みを買うハメに陥ります。…
「電機産業を扱った作品」の第四弾は、江波戸哲夫『新天地』(講談社、2017年)。景気後退に伴い、それまで行ってきた技術開発の夢が断たれた日本人技術者は、夢を実現させるため、発展が著しい韓国メーカーの誘いに乗り、韓国で働くことを決意します。そん…
「電機産業を扱った作品」の第三弾は、江上剛『病巣-巨大電機産業が消滅する日』(朝日新聞出版、2017年)。日本を代表する巨大電機産業・芝河電機の「内憂外患」の実情が描かれています。東芝がモデルになっていますが、グローバル化のなかで将来を模索す…
「電機産業を扱った作品」の第二弾は、江波戸哲夫『小説 盛田昭夫学校』(上下巻、プレジデント社、2005年)。井深大とともに、前身となる「東京通信工業」を創設し、巨大企業ソニーを築き上げた人物・盛田昭夫とその後継者たちの活躍を実名で描いたドキュメ…
1955~73年の高度成長期に「豊かな電化生活」を実現させた電機産業。続く1970~90年代には、多くの「メイド・イン・ジャパン」の「ハイテク商品」を世界市場に普及させ、日本経済の土台骨となりました。ところが、21世紀に突入する頃から、韓国・中国・台湾…
「市役所職員を扱った作品」の第三弾は、米澤穂信『Iの悲劇』(文藝春秋、2019年)。6年前に無人と化した限界集落を再生しようとする「Iターン支援推進」。それは、市長が主導するプロジェクトです。ところが、担当部署に配属されたメンバーたちの行動には、…
「市役所職員を扱った作品」の第二弾は、荻原浩『メリーゴーランド』(新潮文庫、2006年)です。前例がないことには臆病な公務員の世界。変えることに恐怖心さえ抱いている人も例外ではありません。まさに「ぬるま湯」の世界です。本書は、そこから抜け出し…
市役所で働いている人というと、多くの人にとっては、「おとなしい」「新しいことを好まない」「型にはまっている」といったイメージが浮かび上がるのではないでしょうか? 確かに、前例主義、予算主義が徹底している職場なので、事案に臨機応変に対応する余…
「マネーロンダリングを扱った作品」の第三弾は、笹本稜平『突破口 組織犯罪対策部マネロン室』(幻冬舎文庫、2015年)。マネロンという犯罪行為を取り締まる側から描いた作品です。マネロンという経済行為を扱った経済小説であるとともに、警察の捜査活動を…
「マネーロンダリングを扱った作品」の第二弾は、志摩峻『マネーロンダリング・ビジネス』(ダイヤモンド社、2009年)。東京の大手損害保険会社と、テキサス州にある米国法人の子会社、バミューダなどのタックス・ヘイブンを舞台に、壮大なスケールでマネロ…
働いて稼いだおカネ。その一部は、生活に必要なモノやサービスの購入や税金の支払いなどに充てられます。金融機関に預けられたり、株式などに投資されたりすることもありえます。ごく普通に生活する人にとっては、通常のおカネの流れとは、そういうものだと…
「自動車の歴史を扱った作品」の第三弾は、城山三郎『勇者は語らず』(新潮文庫、1987年)。自動車産業を戦後日本経済の「勇者」に見立て、その急速な発展ぶりが描写されています。特に、自動車を組み立てる親会社の成長が部品を供給する下請け会社の「犠牲…
「戦後自動車史を扱った作品」の第二弾は、梶山季之『黒の試走車』(角川文庫、1973年)産業スパイの暗躍を真っ正面から描いた作品です。販売合戦で勝利を収めるには、時代の流れを的確に読むことがなによりも重要な要素です。ただ、勝敗を決する条件は決し…
いま、ガソリンから電気・燃料電池などへのパラダイムシフトが進行しているクルマの世界。近未来には、自動運転で走行する電気自動車がごく普通の風景の一部になっていることでしょう。過去をさかのぼれば、ガソリン自動車から次世代自動車への転換は、21世…
「企業の合併・買収を扱った作品」の第四弾は、江上剛『不当買収』(講談社、2006年)です。かつて、日本企業の多くは、安定株主という名の株式持ち合い制度により、他の企業による買収から身を守られていました。敵対的買収が一般化しなかった理由はそこに…