2019-01-01から1年間の記事一覧
「町工場を扱った作品」の第三弾は、佐々木譲『屈折率』(光文社、2018年)。東京・大田区のガラス工場でのものづくりを描いています。また、その町工場を舞台に、「経営者の男性」と「ガラス工芸作家の女性」が、「屈折率」という言葉を使って、それぞれに…
「町工場を扱った作品」の第二弾は、上野歩『わたし、型屋の社長になります』(小学館文庫、2015年)です。OLだった花丘明希子(29歳)が、父親が経営していた樹脂金型の受注工場である、従業員30名ほどの花丘製作所の社長に就任。町工場の厳しい現実と向き…
月曜日午後10時、4月15日からテレビ東京系でドラマBiz『スパイラル~町工場の軌跡~』が放映されています。玉木宏さんが、企業再生家でマジテック専務取締役の芝野健夫として毎回、熱演されています。ご覧になっている方も多いのではないでしょうか。舞台は…
「食べ物を扱った作品」の第三弾は、坂木司『和菓子のアン』(光文社文庫、2012年)です。 和菓子には関心も知識もなかった18歳のアンちゃんが、デパ地下の和菓子屋で働くなかで和菓子の魅力と和菓子屋の店員としての働きがいを見出していきます。 [おもしろ…
「食べ物を扱った作品」の第二弾は、原宏一『ヴルスト!ヴルスト!ヴルスト!』(光文社文庫、2016年)です。還暦目前のオヤジと中途半端な生き方を変えようとする青年がヴルスト(ソーセージ)作りに精魂を傾ける姿を描いています。 [おもしろさ] ヴルスト…
寒くもなく、暑くもない。一番過ごしやすい時期ですね。このようなときには、好きなものを食べてみたくなるものです。しかし、同じものを食べるとしても、その食べ物のことをよく知っている場合とまったく知らない場合とでは、味わい方にそれなりの差が出て…
「経営者のリーダーシップを扱った作品」の第六弾は、高杉良『雨にも負けず 小説ITベンチャー』(角川書店、2019年)です。インターネットで電子ファイルを「安全で確実に」送り届けるサービスを展開しているイーパーセルの北野譲治社長が主人公。技術と経営…
「経営者のリーダーシップを扱った作品」の第五弾は、田中修治『破天荒フェニックス オンデーズ再生物語』(幻冬舎、2018年)です。激しい競争を展開しているメガネ業界とメガネチェーン店のオンデーズを描いた作品。著者の田中は、同社の社長であり、本書の…
「経営者のリーダーシップを扱った作品」の第四弾は、西澤亮一『社長よりも偉いもの 新卒に見捨てられた会社の復活物語』(ランダムハウス講談社、2008年)です。「成長していくのは社員だけではない。幹部も会社も、ともに成長していく」。著者は、株式会社…
「経営者のリーダーシップを扱った作品」の第三弾は、池井戸潤『陸王』(集英社、2016年)です。従業員27名の老舗足袋業者がランニングシューズ作りで、世界的なスポーツブランドとの熾烈な競争を展開。2017年10月期の日曜劇場(TBS系列)でドラマ化されまし…
「経営者のリーダーシップを扱った作品」の第二弾は、鷹匠裕『帝王の誤算 小説 世界最大の広告代理店を創った男』(角川書店、2018年)です。「帝王」という言葉に示されているように、この本の主人公は、徹底したトップダウン型の経営者と言えます。電通を…
5月1日、元号が平成から令和に変わりました。これまでのことをリセットして、新たな一歩を踏み出したい。多くの人々の願いが「令和フィーバー」をもたらしました。しかし、元号が変わったからといって、それまでの環境や課題が一挙に変化するわけではありま…
「遊園地・娯楽施設を扱った作品」の第四弾は、木宮条太郎『水族館ガール』(実業之日本社文庫、2014年)です。水族館で働く人の業務を描いたお仕事小説。あなたが見ている水槽の向こう側の世界、水族館の舞台裏にも光が当てられていきます。『水族館ガール…
「遊園地・娯楽施設を扱った作品」の第三弾は、真保裕一『遊園地に行こう!』(講談社、2016年)です。遊園地の魅力を維持しようとするスタッフたちの懸命な努力と多岐にわたる工夫を描いた作品です。 [おもしろさ] 東京ディズニーランド大成功の陰で 東京デ…
「遊園地・娯楽施設を扱った作品」の第二弾として、東京ディズニーランドをモデルにした作品をもうひとつ紹介します。松岡圭祐『ミッキーマウスの憂欝』(新潮文庫、2008年)です。そこでアルバイトをすることになった青年の目を通して、「職場としてのディ…
2019年のゴールデンウィークは、5月1日に皇太子殿下の即位式が行われることで、4月27日(土)から5月6日(月・振替休日)までの10連休となります。行楽地は、どこも大賑わいとなることでしょう。そこで、「遊園地・娯楽施設を扱った作品」を四回に分けて紹介…
「おカネを題材にした作品」の第四弾は、永瀬隼介『特捜投資家』(ダイヤモンド社、2018年)です。なにものにも動じない冷静な判断力を身に着けた個人投資家が大悪人に熾烈な戦いを挑む姿を描いています。 [おもしろさ] 地検特捜部に代わって、不正企業を叩…
「おカネを題材にした作品」の第三弾は、堀江貴文『拝金』(徳間書店、2010年)です。謎のオッサンがフリーターの青年を「金で買えないものはない」と言えるぐらいのお金持ちに変えていくというストーリー。著者は、ライブドアの元社長。 [おもしろさ] 金が…
「おカネを題材にした作品」の第二弾は、川村元気『億男』(マガジンハウス、2014年)です。宝くじで3億円を当てた男と、ベンチャーを起業して大富豪となった男のおカネをめぐる物語です。2018年に佐藤健さんや高橋一生さんが出演した映画『億男』の原作本。…
4月9日、政府は、1万円札、5千円札、千円札のデザインを一新すると発表しました。実際に印刷されるのは5年後の2024年度。しかし、偽造対策の強化、新紙幣をつくる技術の継承、経済効果など、紙幣一新のニュースは、いろいろな角度からメディアで取り上げられ…
「理容師と美容師を扱ったお仕事小説」の二作目は、石田空『サヨナラ坂の美容院』(マイナビファン文庫、2017年)。美容師法によりますと、美容とは「パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること」と定義されています。「失恋し…
首都圏では、桜の花のシーズンがほぼ終わりを告げました。春が本格化してきました。心地よい風を感じる季節になると、髪の伸び具合が少し気になり、カットしてもらいたくなってくるのは、私だけでしょうか? 季節の変わり目、人生の節目、活動する場の移動、…
「先端技術を扱った作品」の第三弾は、「自動運転トラクター」の開発を扱った池井戸潤『下町ロケット ヤタガラス』(小学館、2018年)です。東京大田区にある町工場・佃製作所の社長である佃航平を主人公にした『下町ロケット』は、テレビで放映され、人気を…
「先端技術を扱った作品」の第二弾は、幸田真音『人工知能』(PHP研究所、2019年)です。第一弾として紹介した『小説EV戦争』は、「電気自動車という次世代自動車の開発」を扱った作品でしたが、自動車をめぐるパラダイムシフトには、もうひとつの構成領域と…
4月1日、新しい元号が発表されました。「令和」と呼ばれる次の時代において確実に進行するのは、さまざまな領域における「パラダイムシフト」です。それは、従来のシステム・制度・常識が通用しなくなり、まったく異なった次世代のものに取って代わられてい…
「新入社員を応援する作品」の第三弾は、三萩せんや『図書館ホスピタル』(河出書房新社、2016年)です。図書館に就職したばかりの女性スタッフが、日常的な仕事を通して、本の魅力を発見し、働きがいを見出していきます。本書を読まれるあなたも、「図書館…
「新入社員を応援する作品」の第二弾は、中場利一『走れ!ビスコ』(幻冬舎、2009年)です。新入社員が自分のやるべきことを見つけ、実践していくプロセスが、コミカルなタッチで描かれています。笑いすぎて涙が出てしまいそうなシーンのオン・パレードです…
4月1日、今年もまた、数多くの新入社員が、希望を胸に社会人としての第一歩を踏み出します。反面、どのような服を着て出勤すればよいのかといったことから、どのようにして新しい職場や仕事に慣れていけばよいのかといったことまで、不安や心配事もまた多い…
「プロ野球を扱った作品」の第三弾は、柴田よしき『輝跡(きせき)』(講談社、2010年)。「カープ女子」「オリ姫」「ハム女」といった言葉に示されているように、女性のプロ野球ファンが増えています。大のプロ野球ファンである著者の手によるこの本は、プロ…
「プロ野球を扱った作品」の第二弾は、本城雅人『代理人(エージェント)』(実業之日本社、2017年)。代理人とは、選手と球団との交渉を手助けする者のこと。アメリカの場合、代理人制度は1970年代には定着し、20~30人の選手と契約している代理人もいるよ…